1 迷惑メールの概要について
1-1-4 ウイルスメール
自宅の郵便受けに投げ込まれる迷惑チラシと違って、迷惑メールには悪質なコンピューターウイルスが含まれているケースが多くなっています。
ウイルスメールの中には、利用者がメールを開いたり、ネットでサイトを閲覧したときにパソコンに気づかれないよう進入し、乗っ取ってしまうものがあります。これを「ボットウイルス」と呼んでいます。
乗っ取られてしまったパソコンは、ボットウイルスに感染した他のパソコンと共にボットネット(パソコン群)の一部となり、外部の司令塔から遠隔操作を受けて大量の迷惑メールを世界中に送信するようになります。ボットウイルスは、パソコンの所有者に気づかれないように活動するため、感染してもすぐには分かりません。感染したパソコンの所有者は、被害者であると同時に、自分が知らないうちに迷惑行為を行う加害者となってしまうのです。迷惑メール送信者にパソコンを悪用されないためには、Windows Updateを必ず実施してOSの状態を最新に保ち、あわせてセキュリティソフトの利用をおすすめします。

ウイルスに感染すると……?
- メールを送るたびに相手にウイルスまで送ってしまい、気づかないうちにウイルスをばらまく犯人になってしまう
- パソコンが外部から遠隔操作されて迷惑メールを大量に送信してしまう
- パソコンが動作の途中で止まってしまう
- パソコン内に保存している情報が盗まれる
- 保存していたデータが破壊される、または削除される
- パソコンやソフトウェアが正常に動かない(ブラウザが立ち上がらない等)
ウイルスに感染しないためには
- パソコンのOSやソフトウェアを最新の状態に更新する
- Windows等のOSやソフトウェアには「セキュリティーホール(ぜい弱性)」と呼ばれる欠陥や問題点が発見されることがあります。セキュリティーホールをそのままにして利用していると、ウイルス感染や不正操作などの被害にあう恐れがあり、とても危険です。
セキュリティーホールが見つかると、修正プログラムが随時公開されますので、ウイルスに感染しないためにも、定期的にプログラムの更新をしておきましょう。 - ウイルス対策ソフトを利用する
- インターネット上のサービスの利用やUSBメモリなどの外部記憶媒体を通じてコンピューターウイルスに感染する危険性があります。ウイルス感染の危険性を軽減するために、ウイルス対策ソフトを利用しましょう。
なお、ウイルス対策ソフトを利用していてもパターンファイルと呼ばれるウイルス定義ファイルの更新を行っていないと新種ウイルスに対応することができません。常にパターンファイルを最新の状態に保ち、定期的にコンピューターをスキャンすることが必要です。 - HTMLメールは使わないようにする
- HTMLメールは、自由に文字の色や大きさを変更したり、イラストや写真で装飾できるなど便利なメール形式です。しかし、この機能を悪用したウイルスもあり、HTMLメールを開く、またはプレビュー画面を表示しただけでウイルス感染してしまう場合があります。HTMLメールは通常見ない・使わないように設定し、必要な場合のみ利用するようにしましょう。
- 不審なメールの添付ファイルは開かない
- ウイルスは、メールの添付ファイルに仕掛けられている場合も多いため、見知らぬメールの添付ファイルは、安易に開いてはいけません。
最近では、差出人を詐称したウイルスメールが多く見受けられます。知人からのメールだったとしても不審な点がある場合は、その知人に確認するなど十分注意してください。このようなウイルスメールからパソコンを守るためにも、添付ファイルを開く場合でもウイルス検査を行ってから開くようにしましょう。
ウイルスに感染したときは
もし、最近パソコンの挙動がおかしいと感じたときは、すぐにウイルス対策ソフトやセキュリティサイトでのオンラインスキャンで検査してください。ウイルス対策ソフト等でコンピュータウイルスが検知されれば、削除や駆除などが自動で行われます。まれにソフトが起動しなかったり、操作方法がわからないときは、IPA情報セキュリティ安心相談窓口(新しいタブで開きます)へご相談ください。
主な迷惑メール・ウイルス対策ソフト
- ウイルスバスター(新しいタブで開きます)(トレンドマイクロ株式会社)
- カスペルスキー(新しいタブで開きます)(株式会社カスペルスキー)
- ノートン(新しいタブで開きます)(株式会社シマンテック)
- マカフィー(新しいタブで開きます)(マカフィー株式会社)※バージョン16.0.41(2021年11月23日公開)から迷惑メール対策機能が削除されました。
Windowsをはじめとする各種OSやソフトウェアには「セキュリティーホール(ぜい弱性)」と呼ばれるシステム上の欠陥や仕様上の問題点が発見されることがあり、セキュリティーホールを利用して、ホームページを閲覧しただけで感染させるWeb感染型ウイルスが多くなっています。
ACTIVE(Advanced Cyber Threats response InitiatiVE)(新しいタブで開きます)では、ボットウイルスへの感染防止のための知識や駆除対策手順が紹介しています。また、感染していないかの確認、駆除ツール実施手順も説明していますので、パソコンの挙動がおかしいと思ったときはすぐに対策してください。
●参考サイト
マルウェアに感染しないために(新しいタブで開きます)(ACTIVE)
情報セキュリティに関する技術的なご相談(新しいタブで開きます)(独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター)
まとめ
パソコンのOSやソフトウェアを最新の状態に更新にする
ウイルス対策ソフトを必ず利用する
おかしいなと思ったらすぐにウイルスチェックを!