工事担任者、無線従事者、電気通信主任技術者などの国家資格の有資格者の知識や技術の向上を支援するための制度が情報通信エンジニアスキルアップガイドライン委員会(事務局:日本データ通信協会)の「情報通信エンジニア」です。
情報通信エンジニアスキルアップガイドライン委員会では情報通信エンジニアの育成と資格取得を支援している団体を「情報通信エンジニア優良団体」として毎年表彰しており、今年も企業5団体、 学校3団体が受賞しました。企業の部で受賞した5社を訪問して行われた表彰の模様をご紹介します。
第1位:NECネッツエスアイ・サービス株式会社(資格者数140名)
昨年度、取得者数でダントツの1位だったNECネッツエスアイ・サービス株式会社様は、今年も140名の皆様に取得をいただき、2年連続で認定数が全国第1位となりました。
「取得者数全国1位ということで、表彰いただけることは誉でありますし、エンジニアの保有する技術が陳腐化しないように力をつけて現場に輩出し、社会に役に立てることには意義があると考えています」とお話になるのは代表取締役社長の細名厚雄(ほそなあつお)氏。
取得者数が多いというだけでなく、細名社長ご自身が「情報通信エンジニア」を取得し続けているのもNECネッツエスアイ・サービス様のご利用でひときわ目に付く事実です。細名社長のご指導の下、全社を挙げて積極的にご利用をいただいている現状に対し、事務局より厚く御礼を申し上げる次第です。
東京都千代田区の神保町にある本社に表彰で伺うのはこれで3年目となりましたが、毎年「情報通信エンジニア」をご利用いただいている現場の管理職の方に賞状をお受け取りいただくのも他社にない趣向です。今年は社内で最多の取得者をお出しいただいた地域本部西日本サービス部の紀 隆幸(きいたかゆき)部長に広島からお越しいただきました。
第2位:扶桑電通株式会社(取得者数78名)
1948年設立の扶桑電通株式会社様は、既存事業の拡大とサービスビジネスの強化、新規ビジネス創出を掲げた第2期中期経営画計画「FuSodentsu Vision 2024」の達成に向けて順調に舵を切っています。同計画では組織、経営基盤の強化のために「人を活かす経営の推進」を謳い、働き方改革などとともに人材育成の強化が重要な目標に掲げられています。
そんな同社にあって、技術教育の充実は会社の発展を支える基本中の基本。「情報通信エンジニア」についても、社内人材スキル認定制度の中で社員の皆様に取得を推奨していただき、新しい知識習得の糧にしていただいています。本年度も前令和4年度を上回る78名の認定者をお出しいただきました。
「社員には、電気通信工事の基本である工事担任者の資格を積極的に取らせてきましたが、これからは例えばソフトウェアPBXや無線LANなどネットワーク・インフラを拡張する技術を持った社員を養成していかなければならないと考えています」と語るのは執行役員エンジニアリング本部長の上地浩夫氏。既存ビジネスを踏まえて新しい分野を目指す扶桑電通様にも納得してご活用いただける「情報通信エンジニア」であり続けるよう、私どものプログラムにも新しい情報と価値を盛り込んでいきたいと考えています。
第3位:株式会社ベータテック(取得者数55名)
株式会社ベータテックは、大手携帯電話事業者の基地局設置や保守、点検・検査など無線系の事業を主力にしており、社員の多くが無線従事者の国家資格を取得しています。同時に工事担任者も数多く取得しており、そのご縁で技術者の教育として「情報通信エンジニア」を毎年ご活用され、今年で7年連続の表彰となります。
表彰の際の意見交換において、今年も資格制度やエンジニア育成などの昨今の様々な動向に花が咲きました。
大竹丈夫代表取締役社長からは、「国家試験は資格を取ってしまえば、大体それで技能向上は終わりになってしまうが、『情報通信エンジニア』は新しい技術動向を取り入れ、毎年テキストを更新し、紙の本として出しているところが良い。また、DX化を推進していく上では、DXそのものの資格などが無い中、『情報通信エンジニア』のようなものが有用であると考えている。関連企業へも勧めているのだが、もう少し認知度が高くなって欲しい。」と激励をいただいています。
第4位:株式会社TOSYS(取得者数52名)
株式会社TOSYSは、甲信越を事業エリアに、有線・無線を含む電気通信工事からクラウドソリューションの提供までICT分野で幅広く活躍する企業です。
今年で11年連続の表彰となり、「情報通信エンジニア」を社内教育のツールとして定着させ、継続してご利用されています。また、社会人1年目となる新入社員には、技術者の初めの第1歩として取り組みやすい工事担任者試験を必須資格として受験させています。
上原邦明常務執行役員は「今年のテキストにおいて、特にサーバー系のところでクラウド技術のあたりまでを取り上げていることからもわかるように、技術革新が激しい昨今の通信技術を幅広くバランスよく身に付ける上で、『情報通信エンジニア』は非常に良い教材と感じている。また、技術者同士が会話できるぐらいの資格としても丁度良いと感じている。」とおっしゃっています。
今後とも、「情報通信エンジニア」が、時代に即した知識の習得にお役に立てるように、日本データ通信協会も精進して参る次第です。
第5位:大和電設工業株式会社(取得者数41名)
大和電設工業は、1952年の設立から電気通信設備事業者として、「情報通信」「ICTソリューション」「電気設備」を事業の3本柱と位置付け、70年以上の歴史の中で培った確かな技術力で、地元のニーズに応えています。この技術力を枯らすことなく日々更新し、磨いていく一環として「情報通信エンジニア」を利用し続けており、令和5年は41人の「情報通信エンジニア」資格者を数え、9年連続の受賞となりました。
同社の人材育成に対する厚い取り組みは変わっておらず、工事担任者資格及び電気通信主任技術者資格のそれぞれについて、毎年新入社員を中心に受験に挑戦しており、技術社員の殆どが工事担任者資格及び電気通信主任技術者資格の有資格者となっています。また、栩谷泰輝社長自らが「情報通信エンジニア」を継続的に更新されており、忙しい中、業務の合間や電車での移動時間に研修課題に取り組んでおられます。
今後とも、「情報通信エンジニア」が時代に即した知識の習得にお役に立てるように、私どもも精進して参りたいと思います。
(注)資格者数は令和5年9月末時点の集計値です。