Challenge! 大阪府立城東工科高等学校

地域と共に頑張る城工

大阪府立城東工科高等学校
電気系教諭 田辺仁史

学校紹介

 本校の創立は昭和3年、大阪府立第四職工学校として設立され、昭和4年4月、大阪府立城東職工学校として開校しました。場所は大阪府の東部、ものづくり中小企業の町として知られている東大阪市に位置し、平成26年度より大阪府教育委員会より地域と密着したものづくり教育を行う、「地域産業連携重点型校」に指定され「地域とともに 人づくり ものづくり」を掲げて教育活動に取り組んでいます。昨年、創立90周年を迎え、卒業生は2万8千人を超え、産業界をはじめとする様々な分野で活躍しています。本校には、機械系(機械技術専科、機械設計専科)、メカトロニクス系(ロボット工学専科、制御システム専科)、電気系(電気技術専科、電子情報通信専科)の3系6専科があり、2年生より、各自が学びたい専門分野を選択し学べるようになっています。

資格取得への取り組み

 大阪府では平成17年に工業高校から工科高校へと変わる大きな改革が行われました。工科高校では、入学後、1年生では工業の基礎的な知識・技能を学び、2年生から専門の系と専科に分かれます。この改革時、電気系では電気技術専科では第2種電気工事士、電子情報通信専科ではDD3種を2年生で全員が受験するようにしました。国家資格にチャレンジし取得することは簡単なことではありませんが、放課後も講習を行うことで、生徒に電気の勉強の楽しさと難しさ、合格した時の達成感を体験してもらおうと考え実施しております。

 実際、DD3種への取り組みは、2年生の後期試験をめざします。そのため、2学期が始まった9月ごろより放課後にDD3種に関する「基礎」「技術」「法規」に関する補習をはじめます。10月下旬からには小テストを行い、点数が合格点に満たない生徒は間違いが理解出来るまで学校に残り、勉強しています。

受験結果

 合格率の推移表より、最近の傾向として合格率が下がってきています。原因として考えられるのは、H29年度より受験者数も減少し、合格率が下がっています。これは、2年生より系及び専科を選択する場合、必ずしも希望する系、専科を選べるわけではなく、それぞれの系・専科の定員をオーバーすると第2希望に回ります。最近の傾向として電子情報通信専科を希望する生徒が減少し、第2希望で電子情報通信専科を選んだ生徒が多くなり、希望していなかった分野の資格を取得するにはモチベーションを持たせることに困難があり、合格者が減少していると考えています。

今後の取り組み

 現在、電気系では2年生電気技術専科では電気工事士、電子情報通信専科ではDD3種を受験しています。しかし、電気技術専科の生徒からもDD3種にチャレンジしたいという声をよく聞きます。反対に電子情報通信専科の生徒からは電気工事士を受験したいという声を聞きます。今後は、どちらの専科に限らず、どちらの資格もチャレンジできるように体制を整えDD3種の合格者を増やしていきたいと考えています。

【生徒の声】

生徒A

 私がDD3種を受験しようと考えたのは、高校に入学し電気が好きになり、クラブの先輩に聞いてみてDD3種を受けて見ようと考えました。最初はDD3種の問題を解いてみた結果、あまりにも点数が悪く絶望しました。しかし、放課後に残って、みんなに教えてもらったおかげで私は合格することができました。今回、DD3種を受験してみて先輩方や先生方に指導していただいたおかげで私は勉強に対してやればできるという自信を持つことができました。

生徒B

 私は電気に興味があって、城東工科の電子情報通信専科に入学しました。この専科では2年生でDD3種にチャレンジをするので私もチャレンジをしました。DD3種を受験して苦労したことは、毎日、放課後遅くまで残って過去問を解いて苦手な問題を克服していたことです。今回、DD3種を受験して、私は電気について、まだまだわからないことが多くあることに気が付き、たくさん調べたりして知識がつきました。この自ら情報収集する力と知識を進学する大学での学びに活かしたいです。