Challenge! 福井県立坂井高等学校

主体的・協働的な資格取得への挑戦

福井県立坂井高等学校
電気・情報システム科 情報システムコース
教諭 高橋 秀典

学校紹介

 本校は平成26年に開校したまだ歴史の浅い学校です。春江工業高校、坂井農業高校、金津高校の商業科、三国高校の家政科が合併し、4学科8コースからなる北陸でも最大規模の総合産業高校です。それぞれの学科が特徴あるカリキュラムで、ものづくりや資格取得以外にも様々なことに挑戦しています。

 本校では、令和3年度からマイスターハイスクール事業の実施校として、地域の企業や自治体、他校種と連携して探求的な課題研究にも挑戦してきました。マイスターハイスクール事業は終了しましたが、坂井高校コンソーシアムという枠組みを構築し、地域と協力した様々な取り組みを継続しています。在学中から、学校という枠から飛び出して、外社会と繋がりながら深い学びができる学校です。

情報システムコースの紹介

 情報システムコースでは、電気の基礎からプログラミング、ハードウェアやソフトウェアの内容を、座学だけでなく実習にも多く取り入れ、システムの保守・点検から開発までできる人材育成を目指しています。また、就職後即戦力となれるよう様々な資格指導にも力を入れています。全国工業高等学校長協会主催の検定も多く受検しますが、国家資格として、主に陸上特殊無線技士や第二種電気工事士、工事担任者、ITパスポート、基本情報技術者などの取得に挑戦させています。

 工事担任者においては、毎年多くの合格者を出しており、最も多かったときは、平成29年度の3年生でDD第三種(現在の第二級デジタル通信)がクラス34名中31名合格、DD第一種(現在の第一級デジタル通信)が20名受験で19名合格、AI第一種(現在の第一級アナログ通信)が12名受験で10名合格という結果を残すことができました。毎年波はあるものの、コンスタントに合格者を出し続けることができています。

工事担任者試験への取り組み

 現在、情報システムコースでは、1年生のときに第二級陸上特殊無線技士、2年生の前半で第二種電気工事士、後半で第二級デジタル通信を取得することを目標として取り組んでいます。資格指導の際に努力していることは、「最初に知識を詰め込みすぎない」という点です。まずは5割から6割ぐらいの内容を教えてから、過去問などにできる限り早めに取り組ませるようにしています。過去問に取り組ませる際も、一人ずつではなく団体戦のような形で、グループで取り組ませるようにしています。グループ内で意見を言い合ったりして、知識を共有することで、特に学習が苦手な生徒の点数上昇がスピードアップします。教員がずっと解説を続ける、いわゆる全集法での指導に比べ、生徒たちが能動的に取り組むこのような形こそ、資格指導では効果的な方法であると確信しています。我々教員はファシリテータの役割をこなせばよいのです。

 1年生の時からこの形式を定着させることで、比較的簡単に第二種電気工事士や第二級デジタル通信の合格者を増やせる体制をつくることができました。そして2年生までの学習で、資格試験の勉強を「楽しい」と感じることができ、もっといろんな資格に挑戦したいというモチベーションを上げることができた生徒の多くが、第一級デジタル通信や第一級アナログ通信の受験を希望してきます。

 上位資格のスケジュールとしては、3年生の5月にまず第一級デジタル通信の合格を目指します。これに合格した生徒の中から希望した者が秋に第一級アナログ通信の合格を目指し、両方合格した生徒が総合通信の申請を行うという形です。学習方法は、完全に放課後補習です。基本的に週1回(私が部活指導のない火曜日)に技術と法規をメインに行っています。基礎の内容は基本的に授業中にやっている内容なので、自分で学習してもらうようにしています。わからないところは個別に聞きに来るよう指導しています。効率よく学習するために、まず私が過去問に取り組み出題傾向の高い問題を中心に、生徒に覚えてほしい項目を虫食いにしたプリントを利用して補習を行っています。ある程度、毎年使えるようフォーマットは作成してありますが、特に技術に関しては新しい範囲が増えていくので、定期的に過去問に挑戦し、プリントや補習で使用するスライドの見直しをしています。最近では、平成29年度ほどの合格者は出すことができていませんが、令和5年度には第一級デジタル通信に8名受験して8名合格し、そのうちの4名が第一級アナログ通信を受験して4名とも合格(合格率100%!)という成果を残すことができました。

 福井県では、第一級デジタル・アナログ通信や総合通信などの上位資格を受験する高校生に対して補助を出してくれる「フューチャーマイスター制度」があります。このような制度があることも、生徒たちの挑戦への大きな後押しとなっていることは間違いありません。生徒たちの未来のためにも、国や自治体と協力しながら、これからも全力で指導・支援をしていきたいと思っています。