社会で求められる産業人の育成を目指して
青森県立十和田工業高等学校
電子科主任 柳谷 典秀

学校紹介
本校は、昭和38年に機械科と電気科の2学科で開校しました。令和4年には創立60周年を迎え、現在は機械・エネルギー科、電気科、電子科、建築科の4学科を設置しています。学校周辺には、十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田山系といった青森県を代表する自然の宝庫が広がっており、恵まれた環境の中で生徒たちは学習に励んでいます。
「不撓・探究・至誠・明朗」の校訓のもと、ものづくり、資格取得、部活動などを通じて、社会で求められる産業人の育成に力を入れています。また、地域行事や地元企業との連携を通じて、地域社会との強いつながりを築いています。
電子科の紹介
電子科では、電気・電子分野や計測分野についての学習はもちろん、今後ますます重要性が増す情報分野や通信分野にも力を入れています。スマートフォンの普及、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入、小学校でのプログラミング教育の必修化、AIの急速な発展など、新しい技術や知識を常に取り入れることが求められています。まずは教員自身がさまざまな新しいことに挑戦し、その経験や学びを生徒に還元できるよう、努力を続けています。
生徒が学んだことを発揮できる場所として、電子科の生徒を講師として小学生対象のプログラミング教室を実施しています。生徒自身が小学生にわかりやすく自分の言葉で説明できるように、学んできたことを振り返り、楽しみながら小学生に教えています。
また、地元企業の協力の下で、生徒に対する技術指導を実施しています。現場で実際に使用されている技術を体験したり、最新の技術に触れたりすることで、生徒たちは企業について深く知る貴重な機会を得ています。これにより、学校だけでは学べない実践的な知識やスキルを身につけることができ、大変有意義な時間となっています。

資格取得に向けて電子科の取り組み
本校の電子科では、第二級デジタル通信を1年生の12月頃に全員受験で実施しています。試験がCBT形式となり、全員受験が難しい部分もありますが、日程を定めて1日で全員が受験できるよう取り組んでいます。試験の約2ヶ月前から対策を開始し、市販のテキストを活用しながら過去問を繰り返し解いています。進捗状況に応じて、個別対応や課題を通じた指導も行い、全体の学力向上を図っています。ここ3年間の合格率は85%前後と高水準を維持しており、生徒たちの日頃の努力がしっかりと結果に結びついています。
2年生からは総合通信に挑戦する生徒を対象に、放課後講習を実施しています。部活動との両立を考慮し、講習時間を1時間と定め、その中で集中して学習に取り組んでいます。また、それ以外の時間でも自主的にコツコツと学習を進める生徒が多く、着実に力をつけています。総合通信は例年10名程度が受験しており、昨年度は9名中7名が合格するという素晴らしい結果を収めました。この成果を次年度にもつなげられるよう、引き続き指導に力を入れていきたいと思います。
生徒の声
電子科3年 畠山 竜河さん
私は、1年次に工事担任者第二級デジタル通信、2年次に工事担任者総合通信の資格試験に挑戦しました。
授業や講習では過去問題を解くことで対策を行いますが、対策開始直後は分からないことだらけでした。そのため、先生の解説をしっかり聞き、理解に努めました。そのうち、覚えるべき箇所や暗記する必要が無い部分、学習が足りていない部分がわかるようになり、より効果的な学習をすることができました。その結果、どちらの資格試験にも合格することができました。
この経験を生かして、これから何事においても積み重ねることを意識して取り組んで行きたいです。