Challenge! 北海道函館工業高等学校

全員合格目指し難関資格取得へ!!

北海道函館工業高等学校
電気科 科長 木田明公子

学校紹介

 本校は1911年(明治44年)函館区立函館工業補習学校という名称で定時制として始まりました。令和3年度に創立110周年を迎え、北海道内では最も歴史のある工業高校です。全日制は電子機械、建築、工業化学、環境土木、電気、情報技術の6学科を設けていますが、令和2年度の募集から電気科と情報技術科を統合し、電気情報工学科を新設しました。定時制は、電子機械科1学科を設けています。校訓「自主創造」のもと「ものづくり」を学んだ卒業生は、全定合わせて3万6千名を超え、地元函館や北海道はもとより、全国の産学界で活躍しています。

電気科の取り組み(令和2年度より電気情報工学科新設)

 電気科ではさまざまな資格取得に挑戦し、結果を残しています。平成24年度入学生より1学年の秋に工事担任者DD第3種、2学年に第二種電気工事士および第一種電気工事士、3学年には2級電気工事施工管理技術検定を全員受験しており、他にも危険物取扱者試験や消防設備士試験、2級・1級ボイラー技士試験、第三種電気主任技術者試験などさまざまな資格取得に挑戦しています。

資格取得状況(過去5年の実績)

 工事担任者試験DD第3種は、夏季休業明けの8月から基礎科目と技術科目の対策を行います。法規科目は各自取り組んでいます。また、朝学習の時間も利用し、問題に触れる時間を少しでも多く取るようにしています。10月からは過去問題を中心に取り組み、放課後の補習を行っています。過去問題を解き、合格点を取れない場合は理解するまでしっかりと復習します。補習対象者は試験3週間前60点未満、2週間前70点未満、1週前には75~80点未満として補習を毎日行っています。特に過去問題を始める際には、問題を分析し、同じような問題が頻出する過去の問題を連続して学習するよう工夫しています。生徒は、初めての問題に対面すると「わからない」「難しい」と感じてしまう傾向があるため、問題の選定、指導に関しては反復学習に重点を置き、知識が定着するよう努めています。ある程度「わかる」「解ける」という感覚が増えていくことで、生徒に自信を持たせるとともに、「復習が大切である」ということを理解し、自ら復習をするようになります。工事担任者DD第3種の合格率は毎年高く、合格した生徒も合格できなかった生徒も次の資格取得に向けて取り組む姿勢や目標に向かって努力する力も育っていると考えています。実際に近年はAI第3種を受験する生徒も増えさまざまな資格を取得しており、一つの指標であるジュニアマイスター顕彰においても高い成績を残しています。

ジュニアマイスター顕彰(過去5年の実績)

 新設した全日制の電気情報工学科では、従来の電気科と情報技術科の学びを継承しつつ、society5.0のIoTと、それを支える環境・エネルギー事業に対応でき、超スマート社会を支える人材育成を目指しています。1学年で電気・情報技術の基礎を学び、2学年からはコース制を導入し、より学びを深めていきます。学科設置から2年目を迎え、次代に求められる資質・能力の育成を図る効果的な指導方法について、現在試行錯誤を繰り返しているところですが、1学年の秋に工事担任者DD第3種を全員受験し、37名が合格することができました。現在は第二種電気工事士受験に向けて取り組んでいます。今後も生徒一人一人と向き合いながらより良い指導を追求し、技術者としてこれからの社会を担う人材育成に努めたいと考えています。

生徒の声

在校生(令和2年度電気情報工学科1年)

 今回は僕たちにとって初めての国家試験でした。問題を見たときは、受かる気がしませんでした。しかし、先生が丁寧に教えてくださり、だんだん分かるようになり、友達と切磋琢磨し合ってたくさん勉強しました。また、先生のご厚意で放課後に講習などを開いてくださり、分からないところを分かるようになるまで勉強することができました。たくさん教えてくださった先生や協力してくれた友達に感謝の気持ちでいっぱいです。まだ、将来何になるかは決まっていませんが、将来この資格を活かしていきたいと思います。

卒業生(札幌交通機械㈱函館機械支店 中村大志朗)

 入学して最初に取得した資格がDD3種でした。入学して間もない自分にとっては専門用語が飛び交っていて正直分からないことが多くありました。ただ、比較的に資格の中でも難易度が低い点だったり、身近な機器のルータやパソコンについての資格内容だったので勉強していくにつれて理解しやすい内容でした。また、クラス全員で資格取得に取り組んだこともあり理解が難しい点などは、クラスで理解のある人にすぐ聞くなどできるためそこは社会に出てからはできない学生ならではの強みだと思います。社会に出てからでは自分の仕事の合間で勉強しなくてはならないことを考えると学業で資格取得できる点は非常に有意義な時間だと、今は強く感じています。