Pマーク取得事業者の横顔:日本レコードセンター株式会社

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日本レコードセンター株式会社
執行役員人事総務部長
菅野 一郎 氏

物流の規模はGDP の大きさと高い相関があると言われており、情報通信産業などとともに一国の経済活動を支える基幹産業である。今回登場いただいた日本レコードセンター㈱は、物流の中でも音楽、映画、ゲームなどのパッケージを専門に取り扱う会社として40 年の社歴を誇っており、この分野では高い競争力を有するサードパーティ・ロジスティクス事業者として確固とした地位を築いている。

貴社の業務について教えて下さい。

 当社は、ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント)の子会社として、レコードメーカー各社と共同で音楽パッケージソフトの受注・出荷・配送を行う物流に特化した業務を行うことを目的に、1978年3月、神奈川県厚木市に設立されました。
 設立当初は、アナログレコード、VHSビデオ、ミュージックテープ(カセット、8トラック)が主でしたが、現在は、CD、DVD、カセットテープ、ゲーム(ハード、ソフト)、ポスターやアーティストのグッズ等を取り扱っています。

 2011年4月からは、SBSロジコムの子会社となり、総合物流会社であるSBSグループの一員として、音楽パッケージソフト物流一筋で創立40周年を迎えました。
 音楽ソフトパッケージの物流は、創業時期から変わらないサービスレベルを維持しています。それは、今日のお昼(12時)までに頂いた注文であれば、CDを1枚からでも全国のお店に翌日配送(離島除く)するというものです。
 この様なサービスレベルを提供し続けるには、物量変化に即応しつつ高品質の作業レベルを維持できるマンパワーマネジメント力、全国を網羅する独自の配送網、物流工程だけでなくレコードメーカー各社との情報連携から販売店様の業務まで自社開発が可能な情報システム力を駆使した精度の高い物流オペレーションが必要となり、これが当社の強みとなっています。

組織としてはどのような特徴がありますか?

 従業員数は約750名で、そのうち約450名は短時間のパートタイマーです。これらの方々は当社の出荷作業の重要な担い手となっています。そこで、パートタイマーの皆さんには、子育てや介護といったご家庭の都合に合わせて、比較的自由に勤務日、時間等を決めることができるようにしています。
 貴重な戦力となるパートタイマーの方々を採用するために、労働条件以外にもいろいろな取り組みをしています。社内向けには、夏休みにパートタイマーの子どもさんやお孫さんたちを対象に絵手紙教室を開き、夏休みの自由研究の手助けをしています。絵手紙教室終了後には、お母さん、おばあちゃんの働く様子を見学するツアーも実施しており、好評をいただいています。
 また、近隣自治会を通じて、健康増進のために、パワーウォーキング講習会や未病サポーター養成研修等を開催し、毎回多くの近隣住民の方々に参加いただいています。
 これらの活動は、創業以来厚木市で事業活動を続けている当社として、地域との共生が一番重要であると考え、従業員を含めた地域の皆様に当社を少しでも理解して頂けるよう努力しています。

Pマークを取得しようと考えたのは何故ですか?

 当社の業務は永くCDショップ等の店舗向け配送が主であったため、取扱う個人情報はそう多いものではありませんでした。しかし、2015年5月より一般消費者向け通販を含む物流業務を受託することになりました。そこで、荷主様に安心して仕事を任せていただけるように、しっかりした個人情報管理体制を構築する必要があると思い、認知度の高いプライバシーマークの取得に取り組みました。
 個人情報にはマイナンバー等も追加され、今まで以上に管理をしっかり行っていかなければならず、プライバシーマークがあることで、従業員の個人情報管理に対する意識がさらに高まっていると思います。

仕組みを整備する上で難しかったこと、力を入れたことは何ですか?

 最初に取り組んだのは、「個人情報保護マネジメントシステム(略称PMS)」を整備し運用して行く上で重要となる、運用組織を明確に定めることでした。事務局だけで整備ができるわけではありませんので、仲間を増やす目的で、職制に合わせ各部単位で責任者、推進者を任命し、会社を上げてPMS整備に取り組む体制を構築しました。
 運用面では、部署ごとのPMS運用状況をチェックするため、共通チェック項目と、部署ごとの特性を考慮したチェック項目を合わせた、運用確認チェックリストを作成し運用しました。これにより、各部署での個人情報管理に対する意識を高めて行くことができました。

審査を通じて感じたことを教えて下さい。

 今年2月の最初の更新審査を終えて感じたことは、個人情報管理台帳を作成し管理する重要性です。個人情報は個人情報管理台帳を用いて特定をしますが、特定した個人情報の流れが正確に記載されていない箇所がありました。原因は、各部署で記載する担当者が、様式の記入要領を十分に理解していないためでした。
 個人情報を取扱う作業については、従業員に対して教育を実施してきましたが、PMSの運用に関して、特に用途に応じて作成した様式について、その様式の持つ意味と記入要領についての教育が十分では無かったと痛感しました。
 また、新たに事務局に加わったメンバーのPMSの理解度も十分とはいえませんでしたので、日本データ通信協会様の研修や個別相談等を積極的に活用して、全体の管理レベルを向上させる必要があると感じています。

今後の取り組みについて教えて下さい。

 CDショップ向けの配送が減少傾向にある中、一般消費者向けの配送が増加しています。一般消費者向けは、配送ミス=個人情報漏洩となってしまうので、配送ミスを起こさない作業手順の確立と定着が重要なポイントとなります。単純に生産性を追求するのではなく、個人情報保護という品質を追求して行けるように、管理監督者への教育を進めて行きます。
 もう一つは、新たな荷主様が増えることで取り扱う個人情報の件数が増えますので、新規の個人情報取得からリスク分析までをしっかり行い、PMS運用を行うことが荷主様の信頼を得る近道であると思っています。