challenge! 山梨県立富士北稜高等学校

山梨県立富士北稜高等学校
電気情報系列 教諭 楠 秀樹 氏

学校紹介

本校は平成16年に北富士工業高等学校と吉田商業高等学校が統合され創立された山梨県では二校目となる総合学科高校である。総合学科では現在、教養、福祉健康、総合ビジネス、電気情報、機械テクノロジー、建築デザイン、6つの系列があり、それぞれ専門的な教科を学ぶことができる。「明日を拓き、未来を創る」という校訓のもと、生徒達は部活動や資格取得に熱心に取り組んでいる。各年次の定員が260名であり、例年90名前後が工業系の系列を選択する。電気情報系列の選択者は平均すると各年次30名ほどである。

工事担任者試験への取り組み

 本校の電気情報系列は平成26年度入学生まで系列内に情報エレクトロニクスコースと電気エネルギーコースの2コース制であった。情報エレクトロニクスコースは電気通信の工事担任者試験の認定校(AI3種とDD3種)であったにもかかわらず、DD3種の合格者がほとんどいない状況であった。そのため工事担任者試験の合格を目指すことはまさしくゼロからの出発であった。平成27年度入学生よりコースを統合し、新教育課程で学ぶこととなったのを期に、電気情報系列の生徒にDD3種の資格取得を積極的に行っていくこととした。なお、平成27年度以降の入学生の学ぶ新教育課程においても、工事担任者試験の認定をいただいている。

 本校の1年次生は前期の期間、各系列の体験授業を受けたのち、系列を決定する。本校では本人の希望を優先するため、各系列の定員を設けていない。そのため各年次で電気情報系列の生徒数は年次ごとに異なるが平均すると30名程度である。1年次後期から選択した系列の専門的な教科の学習が開始する。ただ、1年次の専門教科の単位は2単位であり、本格的に専門的な学習が開始するのは、実質的には2年次になってからである。そのため工事担任者試験の受験についても、2年次の秋の試験からの受験になる。本校では2年次により電気基礎、電子回路、電子情報技術を学び始める。それまで学んだ専門的な知識が身についているかを確認する意味でも2年次の秋の工事担任者試験DD3種を生徒達に受験することを勧めている。

 各分野の対策について具体的に述べる。DD3種の「基礎」分野については上記の専門教科で学んだ内容が多く含まれるので、夏休みの宿題として過去問を数回分与え、休業明けに確認試験を行っている。「法規」の分野は、基本的に法律で決まっていることなので必然的に暗記的な要素が多い。DD3種の申込みを終えた時点で、早々に法規の学習に取りかかるように生徒達に指示している。過去問を分析すると出題される条文の箇所は限定されている。そのため課外では資格試験用のテキストを購入するように指示をしている。テキストにはリックテレコム社の『工事担任者DD3種標準テキスト』を用いている。上記テキストでは良く出題される部分が強調されていて非常に使いやすく、生徒にも教えやすい。「理論」分野については、生徒達が情報機器に触れる機会をなるべく多くするなどの工夫をしている。課外に使用する部屋がコンピュータ室であるので、コンピュータ室の備品をもとに説明を行ったりしている。具体的な例を示すことで、生徒の知識の定着を図っている。問題演習は過去問を使用し、課外時に前出のテキストを用いて該当箇所を説明している。

 最後に本年度の受験結果について報告する。昨年度の合格者が8名であったのに対し、今年度の合格者は5名にとどまった。生徒達に本格的にDD3種試験の指導を行うようになって、生徒達の得意、苦手としているところの分析を進め、更によい資格試験対策が出来たらと考えている。今後も系列の職員が協力して継続して工事担任者試験の合格者を輩出できるように努めていきたい。

校庭から仰ぎ見る巨大な富士山

合格者の声

電気情報系列2年
佐野 開穂

この度私は工事担任者DD3種を取得しました。この資格を取得した理由は、今後の大学進学や就職に有利になると思ったからです。また、インターネットやネットワークの知識をさらに深めようと思ったからです。
この資格は三つの科目があり、私は全ての科目を一発で合格したかったので過去問を何度もやったり専門の教材を見たり先生や友人に相談したりと、何度も試行錯誤していました。基礎の科目が少し苦手で前日になっても合格点にとどかなかったので不安な気持ちで当日をむかえました。
試験を受けた後の自己採点では、心配だった基礎も合格点にとどいていて未だに嬉しかったのを覚えています。ですがどこか気がかりだったので家に合格通知が届いたときは肩の荷が降り軽くなった気がしました。
今回の試験でどんなに不安でもどんなに心配でも結果を信じて努力を続ければ実を結ぶのだなと思いました。人生の糧になったし、社会人になったら活かしていきたいです。

電気情報系列3年
大森 匠

私が工事担任者DD3種の資格試験を受験したのは、インターネットや情報ネットワークはこれからの社会で必要不可欠な物になってくると思うとともに、インターネットの知識にも興味があり、この資格取得を通して今よりも知識を深めたいと思ったからです。
工事担任者DD3種の資格は国家資格ということもあり、初めて問題集を見た時には、難しい問題ばかりでとても不安でしたが、休み時間や家庭でも過去の問題を解きながらわからない部分は問題集を用いて何度も繰り返し勉強しました。
その結果、工事担任者DD3種を無事に取得することができました。努力して勉強した結果が資格の取得に繋がったので、とても嬉しく思っています今回の資格取得を通して、目標に向けて少しずつ努力をする大切さを学ぶことができました。
これからは社会人になりますが、社会人になってからも勉強していくことは大切だと思いますので、自分の知識を深めるだけでなく、仕事の幅も広げられるように様々な資格取得に挑戦していきたいと思っています。