『サイバーセキュリティシンポジウム道後2018』でDMARC の普及促進─当協会が2講演を提供

3月1日と2日の2日間、松山市で開催された『サイバーセキュリティシンポジウム道後2018』(通称『SEC道後』、主催・サイバーセキュリティシンポジウム道後 実行委員会)において、当協会迷惑メール相談センター主催によるDMARCの講演が行われ、多くの聴衆が熱心に耳を傾けた。

会場となった愛媛大学城北キャンパス・グリーンホール

 『SEC道後』は、毎年サイバーセキュリティに関わる専門家、各種機関、企業の関係者が一堂に集まるこの分野のビッグイベントである。この『SEC道後』で、日本データ通信協会の迷惑メール相談センターはDMARCに関する2講演を提供し、参加者から好評を得た。

 行った講演は、初日に行われた株式会社インターネットイニシアティブネットワーク本部アプリケーションサービス部 担当部長の櫻庭秀次氏による「送信ドメイン認証技術 DMARC によるなりすましメール対策」と2日目に行われた株式会社TwoFive開発マネジャーの加瀬正樹氏による「送信ドメイン認証技術 DMARC の導入とその利用方法」。

 櫻庭秀次氏による講演は、DMARC の基礎に始まり、日本での導入に際しての注意点、国内外の普及状況について説明するもの。2日目の加瀬正樹氏による講演は、送信ドメイン認証技術 DMARCの詳細、利用方法、さらには、ドメインレピュテーションといった応用技術の解説という内容であった。質疑応答では、多くの参加者からドメイン認証技術の普及率について質問があり、聴衆の高い関心が見て取れた。

講演の講師を務めた櫻庭秀次氏(左)と加瀬正樹氏(右)

 今回の講演について櫻庭氏は、「なりすましメール対策としての送信ドメイン認証技術 DMARC は、認知度の低さが普及への課題となっていることがこれまでの調査で明らかでしたが、今回の講演では質問も活発にあり、関心を高めることに貢献できたと感じました」と語った。

 一方、加瀬氏は、「今回のシンポジウムは初めての参加でした。DMARCという技術の解説を中心にお話ししましたが、SPF や DKIM というそれぞれの技術についての解説にも重要性を感じました。また、技術解説だけではなく、各企業のニーズにあった設定方法について指南できると、DMARC が一層広がるのではないかと思います」と答えてくれた。

 講演を主催した当協会迷惑メール相談センター所長の松田和男は、2つの講演について、「セキュリティの専門家や地元の企業に対し、ある程度まとまった時間でしっかりとDMARCを説明できたことは、大変有意義でした。今後も積極的に普及活動を行っていきたいと考えています」と手応えを感じた様子だった。

(文責:編集部 木梨安奈)

(初出:機関誌『日本データ通信』第218号(2018年4月発行))