IoT技術の広がり、最新のアプリケーションと認証技術の動向

日本電気株式会社 内部統制推進部 兼 データ流通戦略室
エグゼクティブエキスパート
水島 九十九

はじめに

 近年、モノとインターネットとの融合により、新たな付加価値を創造するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)への注目が高まっている。様々なモノがインターネットに接続され、モノから得られたデータを分析し活用することで新たなイノベーションが創出されている。本稿では、新たな価値を創造するIoTを活用したビジネスの創出や、我々の生活に役立つソリューション実現に向けてのNECの取り組みを紹介する。

あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTソリューション

 インターネットに接続される端末は年々増えており、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末がインターネットデバイスとして広く普及してきている。

 このような新たなテクノロジーが登場し普及することは、企業の競争環境や産業構造を変えるだけでなく、個人のライフスタイルをも含めた社会全体に大きなインパクトを与えることになる。製造業や物流、医療・健康から農業に至るまで様々な分野で、状況を正確に把握することにより効率化が図られる。また必要な情報をリアルタイムに取得し、データを分析することにより、今までにないサービスが提供されるようになる。

【出典】 MRI コラム・レポート「 IoTが拓く未来社会」

【出典】MRI コラム・レポート「 IoTが拓く未来社会」
http://www.mri.co.jp/opinion/column/trend/trend_20151210.html

 国内における社会インフラの老朽化や少子高齢化が進む中、社会問題を効率的に解決することが広く求められている。IoTの用途が多様化することにより、インターネット経由の遠隔操作による新たなサービスや価値提供が生み出されることになる。インフラの点検業務や高齢者等の見守りサービスなど、IoTを活用したサービスも増えてきている。また今後、自動車の自動運転や人工知能を活用したロボティクスなど、これまでにない用途や目的でのIoTの利活用が期待されている。

 IoTは、自動車や産業用途をけん引役として拡大を継続している。現代社会を支える様々なモノがインターネットと繋がることにより、実世界のデータが増加していくことが予想されている。IoTの利用により取り扱うデータが広範囲になり、分析可能なデータ量やその種類が爆発的に増大し、その大量のデータを効果的に活用することが課題となっている。

【出典】「平成 28 年版情報通信白書」(総務省)世界のIoTデバイス 数の推移及び予測(IHS Technology)

【出典】「平成28年版情報通信白書」(総務省)世界のIoTデバイス数の推移及び予測(IHS Technology)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc121100.html

NECのIoTコンセプト(新たな価値創造やビジネス変革を実現)

 NECは、今の時代を企業や社会がデジタル・エコノミーに向かうビジネスモデル変革の黎明期であると考えている。インターネットが登場してサイバー世界が誕生し、実世界の人やモノがサイバー世界と融合しコネクティッドエコノミーが形成される「IoT時代」になった。今後、IoTはさらに人や知性との融合を強め、社会変革やサービス変革を通じてデジタル・エコノミーが本格的に実現されていくことと考えられている。NECは、10年先の世界を見据え、課題解決のためのテクノロジーを追求している。お客様企業のニーズに合わせ、デジタル・エコノミーの時代に適応するためのビジネスモデルと技術を提供している。

【出典】NECのIoTコンセプト

【出典】NECのIoTコンセプト
http://jpn.nec.com/iot/concept/digitalization.html

 IoTデータの種類は、バイタルセンサー(人)、ひずみや振動センサー(構造物・設備)、映像や画像情報(カメラ)などへ広がっている。コンピュータとネットワークの処理能力が高まり、AIによる効率的なデータサイエンスの活用シーンは加速度的に広がっている。実世界を自律的に制御するテクノロジーを社会やビジネス全体に実装する時代が近づいている。

 実際にAI・IoTを活用するNECのプロジェクトでは、製造分野で生産効率20%向上、流通分野で日配品の廃棄40%削減といったビジネス成果が出始めている。更に、製造、物流、流通などのさまざまなバリューチェーンを効率よく連携することによって、製品・サービスの高度化や提供価値の進化を促す“バリューチェーン・イノベーション”の実現に、お客様と共に取り組んでいる。

 一方、都市インフラなどの公共分野では事件発生や車両盗難率を80%抑制、電力使用量を20%削減するなど社会価値をあげる成果が出ている。今後は都市より更に広域な“スマートネイション”実現に向けた取り組みを進めていく。将来的には、“バリューチェーン・イノベーション”と“スマートネイション”を融合させるなど、さらなる大きな社会価値を創造することを目指している。

【出典】NECのIoTコンセプト

【出典】NECのIoTコンセプト
http://jpn.nec.com/iot/concept/digitalization.html

 NECは、人間の五感のような多様なセンシング技術や映像認識技術によって、実世界から必要なデータだけを収集し、さらにAIでデジタル化や見える化などの「デジタイゼーション」を進めている。また、デジタル化したデータから新たな価値を生み出す「デジタライゼーション」には、「分析」や「対処」など、先進的で多彩なAIが欠かせないと考えている。NECでは今から50年以上も前からAIに着目し、画像認識技術の開発や製品化を通じて価値を提供してきている。

 NECは、プラントなどの重要施設の異常検知や人々の行動の分析、商品の高精度な需要予測をはじめとして、音声認識、画像・映像認識、言語・意味理解、機械学習、予測・予兆検知、最適計画・制御等など、さまざまな領域で、No.1やOnly1のAI技術を有している。こうした最先端のAI技術群を「NEC the WISE」としてブランド化した。

 「見える化」「分析」「対処」の各領域をカバーする「NEC the WISE」のデータサイエンスのチカラを駆使して、これまで人が判断していた経営判断や新製品開発など、ゴールが一意に定まらない複雑な課題に対してAIが多視点から人に示唆を与える。人が幅広い見地から判断することを支援する高度なソリューションを提供している。

【出典】NECのIoTコンセプト

【出典】NECのIoTコンセプト
http://jpn.nec.com/iot/concept/digitalization.html

NECのAI技術を活かしたIoT適用事例

(1)農業ICTソリューションのグローバル展開

 カゴメ㈱と協業し、ポルトガルにコンピュータ上に仮想圃場を生成し、生育シミュレーションからその土地に応じた最適な営農アドバイスや将来の収穫量・収穫適期などの予測を行っている。農業向けのIoTソリューションは多いが、そのほとんどは植物工場のような人工的な環境向けであり、露地栽培では天気や害虫の状況など様々な条件が異なってくる。この事例は、センサーで取得したデータも使い、どういう条件で育成すると最も狙い通りの収穫量や収穫日になるかをシミュレーションし予測するものである。カゴメ㈱は食品加工メーカーであり、収穫量が多すぎても工場の加工能力を超えてしまい、せっかく育てたトマトを廃棄しなければならない。NECのIoTとAI技術を活用し、無駄のない最適なトマトの栽培、さらには最適なバリューチェーンの構築を目指している。

(2)スマートシティプロジェクト

 NECは、ニュージーランドの首都ウェリントン市と一緒にスマートシティプロジェクトに取り組んでいる。道路などにセンサーやカメラを取り付け、交通や温度、湿度などの様々な情報を収集・分析し、より良い街づくりに活かしている。ニュージーランドは、国策として各市のデータをオープン化して共有し、国全体のスマートシティ化を図ろうとしている。オープンかつセキュアにデータをやりとりするネットワークの構築に、IoT分野でこれまで培ったNECのノウハウが活かされている。

(3)その他の事例

 NECは、長年にわたるミッションクリティカル分野でのシステムインテグレーションの経験と、セキュリティ分野での国内トップレベルの実績を有している。特にIoTではセキュリティが重要となりうるため、AIやネットワークに関する最先端の技術と共に、信頼と安心をセットして提供している。NECは、これまで600件以上のIoT関連プロジェクトに携わっており、そのノウハウをベースにIoTソリューションのメニュー化を行っている。「ものづくり見える化」「VIP検知接客支援」「群衆行動解析」「バスナビゲーション」「土砂災害予兆検知」「服薬支援」など、幅広い業種向けIoTソリューションを取り揃えている。

NECの顔認証システム

 昨今、顔認証技術は、国民IDや出入国管理などの国家インフラ、公共施設のセキュリティ対策、アミューズメント施設やコンサート会場の入場管理など、様々な用途で幅広く活用されている。NECは、プライバシーへの配慮も含め安心してご利用いただけるように、認証サービスを幅広い分野で提供し、社会インフラの支えとなる新たな価値を提供している。

 顔認証技術は、映像や画像の中から人を判断する技術である。その処理は、画像中から「顔がどこにあるか」を検出し、瞳、鼻、口など、「その人の顔の特徴的なポイントがどこにあるか」を見つけ、検出された顔の特徴点から「誰であるか」を判定するという高度な分析技術である。

 認証技術の開発スタートは1963年であり、文字認識技術や指紋認証技術の開発を経て、1989年から顔認証技術の研究開発を始めた。地道に開発を進め、2002年には静止画での顔認証システムの製品化に成功した。

【出典】NEC 動画顔認証イメージ
【出典】NEC 動画顔認証イメージ
http://jpn.nec.com/press/201703/20170316_01.html

世界トップレベルのNEC顔認証技術

 2017年3月、米国国立標準技術研究所(NationalInstitute of Standards and Technology) の評価でNECの「動画顔認証」技術が99.2%、最高認証精度で世界一となった。4回連続の第1位獲得であり、これまでも3回連続で静止画による顔認証技術で世界一の評価を得てきた。NECは、更に動画からの認証精度を強化したアルゴリズムを開発し、悪環境の認証精度でも圧倒的に低いエラー率を達成している。

 ITを活用して安心・安全で効率的な社会を実現するためには、実世界で生じている事象を正確に把握し理解することが重要となる。特に、人間の視覚を代替する画像や、映像を解析処理し実世界を理解する技術が今後ますます重要となっていく。NECでは、長年培ってきた画像処理とパターン認識や機械学習の技術を土台にして、顔認証や人物行動解析、オブジェクト認識など、世界最先端の画像認識や実世界センシング技術の研究開発に取り組んでおり、スムーズな動画顔認証を実現するため強化を図っている。

  1. 顔特徴点検出(顔の中から特徴的な点を見つける)を行う際、顔の向きの変化や多人数(人が重なるため顔が部分的に隠ぺいされる)に対しても高精度を維持する性能を強化
  2. 顔照合時にディープラーニング(深層学習)技術を取り入れ、顔の向きの変化やカメラから遠い(低解像度)顔画像に対しても高精度を維持する性能の強化などを行うなど、AI技術を組み合わせて精度を向上
【出典】NECの顔認証技術開発の取り組み(顔認証NISTベンチマーク結果)

【出典】NECの顔認証技術開発の取り組み(顔認証NISTベンチマーク結果)
http://jpn.nec.com/rd/research/DataAcquition/face.html

NECの顔認証技術ソリューション

 NECの顔認証技術は、様々な用途で安全・安心と効率性を両立するソリューションを提供している。

1)人物行動解析「群衆行動解析・人物動線抽出」

 人物行動解析は、映像や画像から人物が映っている領域のみを検出・抽出し、追跡や解析を行う技術である。監視映像に映った異常を即座に発見通知し、店舗や工場内の人の流れを分析することで販売促進や作業効率化が可能となる。この技術を組み込んだ映像検索技術や、照明が変動する環境下でも安定して解析が行える技術開発にも取り組んでいる。

2)群衆全体の動きの変化から混雑環境での異変を検知する「群衆行動解析」

 群衆行動解析は、公共空間や大型施設において防犯カメラなどで撮影された群衆映像から、個人を特定することなく混雑状況を把握するとともに異変を検知するNECの独自技術である。この技術は、事件・事故の発生やその兆しが周りの群衆や集団の行動に影響を与えるという点に着目し、異変につながる「群衆全体の動きの変化」を正確にとらえ解析するものである。

3)既設のカメラで人の動きを高精度に把握する「人物動線抽出」

 人物動線抽出は、店舗内や工場内において既設のカメラを活用して高精度に人の動きを把握できる技術である。本技術は、複数の既設カメラで撮影したデータを連携活用することで、高精度な動線の把握を可能にし、加えて服の色の特徴を用いて個人を特定せずに動線データの取得・解析を実現している。この技術により、店舗における顧客の高度な購買行動分析(マーケティング)や、工場・倉庫内での作業手順の改善が可能となる。

4)オブジェクト認識技術(画像認識・物体指紋認証)

 オブジェクト認識は、複雑な背景画像中から目的領域のみを抽出し、その対象物が何であるかを認識する技術である。独自の機械学習方式「一般学習ベクトル量子化手法(GLVQ)」によって、世界最高レベルの高速・高精度な物体認識を実現している。

5)携帯端末を用いた高精度・リアルタイムな画像認識

 NECは、雑誌やポスター、商品パッケージなどの平面物から、多様な対象物に携帯端末のカメラをかざすだけで、その対象物が何であるのかを識別する「高精度・リアルタイムな画像認識技術」を開発した。この技術により、雑誌にスマホをかざすだけでWebサイトにアクセスできるシステム等の実用化を進めている。

6)工業製品・部品の個体を識別する世界初の「物体指紋認証」

 物体指紋認証は、画像認識技術の応用例として、人間の目では判別が困難な製品ごとの固有の紋様(物体指紋)を瞬時・高精度に識別する技術である。スマートフォンやタブレット端末の内蔵カメラで認識し、事前に登録した紋様の画像データと照合するものである。個々の部品の精緻な管理が実現できることから、流通トレーサビリティ、真贋判定、部品管理・保守作業管理など、幅広い分野への応用が期待されている。

NECの顔認証技術の適用事例

 NECは安全・安心な社会を実現するキーテクノロジーの1つとして、約30年にわたり顔認証技術の開発を進めており、世界で100以上のシステムを導入した。また、世界40か国以上の出入国管理システムに導入されており、入出国審査の迅速化・効率化と、本人審査の厳密化を両立している。

 アルゼンチンのティグレ市では、街中の監視システムにNECの顔認証技術を導入している。このシステムにより、ひったくりなどの犯罪につながりやすいバイクの2人乗りの検知などを行うことで、車両盗難などの犯罪件数を約8割削減した。ティグレ市は、首都のブエノスアイレスから車で1時間ほどの観光都市であり、IoTで安全な街づくりに取り組むことで観光収入が約3倍に増加した。

 日本のテーマパークでは、「顔パス入場」を実現する顔認証入場ゲートシステムを提供し、スムーズかつVIP気分の入場を実現するなどで実現している。また、重要施設でのセキュリティ管理として、スポーツイベントやコンサートでのチケットレス入場などで使われている。南米ではスタジアムに設置し、過去に問題行動を起こしたフーリガンを特定したり、また迷子を検知・捜索するといった実例がある。NECは、コストの削減効果だけでなくお客様の経営課題を解決するためのソリューションを提供している。

NECの顔認識システムによる社会的価値の提供

 NECは、顔認証技術を活用しウォークスルーゲートでの効率的な認証や、事件・事故の未然防止などを実現している。また、セーフティ分野のほか、交通・金融・サービス業など幅広い分野に顔認証をはじめとした生体認証関連ソリューションを提供している。NECは、プライバシー保護を含め、人々が安心してご利用いただけるような顔認証サービスを幅広い分野で提供し、社会インフラの支えとなる新たな価値を提供している。

  1. 安心・安全を確保するためのセキュリティの強化
     犯罪捜査への利用において、事件現場周辺のカメラ映像から頻出者の移動経路を解析し容疑者を特定し、事件の早期解決につなげる。また、特定の場所に留まっている人物の特定や、特定の人物と一緒に映っている人物を検索し、不審者への警備の強化や親の顔画像をもとにした迷子捜索が可能になる。
  2. 人々の生活の質の向上と、公平感を高める用途への利活用を進める。例えば、店舗で利用する場合、店舗内のカメラ映像をもとに、事前登録なしに顧客の来店回数や来店時間、他の系列店舗への来店などが把握可能になる。時間や場所・移動順路に合わせることにより、店舗の商品・スタッフ配置やイベント計画などを支援し、サービス品質の向上、収益拡大が可能になる。

カメラ画像利活用ガイドブック
http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170131002/20170131002.html

 2017年1月に経済産業省、総務省およびIoT推進コンソーシアムは、カメラ画像の利活用に関する配慮事項を整理した「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」を公開した。事業者によるユースケースが検討され、必要となる配慮事項がまとめられた。カメラ画像の特徴を踏まえつつ利活用を促進するため、消費者のプライバシーに配慮し適切にコミュニケーションすることを求めている。

 また、個人情報保護委員会も「カメラ画像の利活用の在り方に関するスタフレポート」の公開を予定している。カメラ画像の利活用において、マルチステークホルダーによる有識者の検討が進んでおりルールメイキングが加速している。

【出典】経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」概要

【出典】経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」概要
http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170131002/20170131002-3.pdf

データ利活用における社会課題解決へ「データ流通戦略室」を新設

 NECは、2017年4月に「データ流通戦略室」を新設した。その目的は、パーソナルデータを中心としたデータ流通・利活用に関し法制度・倫理・生活者の受容性など総合的な観点から全社を牽引することである。社外有識者との積極的な連携により、プライバシーを重視したパーソナルデータの利活用に向けた戦略立案・ソリューション企画、政策提言、関連ステークホルダーへのコミュニケーションを行う。また、社内体制の整備、専門要員の育成、社員のリテラシー向上も推進する。AIやIoTに関する技術やマーケティング・法制度・知的財産・CSRなど、関連領域のスキルを有する要員約10名の体制で活動をスタートした。

 データの利活用には、プライバシーへの配慮、倫理や受容性に鑑みた活用原則・法制度への対応など、様々な課題がある。そのために、社内のガイドラインを整備し、関連製品やソリューションを企画していく。

【プロフィール】
水島 九十九(みずしま つくも) 氏
内部統制推進部 兼 データ流通戦略室2012 年より顧客情報セキュリティ室長として、NEC グループの個人情報保護、マイナンバー対応、情報セキュリィに関するルール策定と運用徹底、インシデント対応や関連教育を推進。現在は、グローバルにおけるガバナンス推進と合わせて、データ利活用推進のためのルール策定とグループ関係部門のサポートを担当。JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)個人データ保護専門委員会の委員長。

(初出:機関誌『日本データ通信』第215号(2017年7月発行))