Challenge! 鹿児島県立鹿児島工業高等学校

よき工業人となるために

鹿児島県立鹿児島工業高等学校
情報技術系教諭 清水 孝英

学校紹介

 本校は明治41年に開校し、平成30年に110周年を迎えました。令和の時代では令和の年号とともに110+6となり、現在、創立116年を刻んでいる鹿児島県立の工業高等学校です。
本校は、平成3年に類-系システムを導入しています。
 このシステムは、工業Ⅰ類・工業Ⅱ類別に入学し、1年次は各類において工業全般の基礎的・基本的な内容と普通教科を共通履修する。2・3年次には選択した「系」においてその専門分野の内容と普通科目を履修する。希望する者は、同一類内の他系の専門科目か普通科目を、4科目8単位以内選択履修する。
とした、学習内容に弾力性を持たせたシステムとなります。
 Ⅰ類には「電子機械系・電気技術系・情報技術系・工業化学系」の4つの系と6学級があり、Ⅱ類には「建築系・建設系・インテリア系」の3つの系と3学級があります。
 教育方針のひとつには「よき工業人となるために」を掲げ、技術の習得と、その実践を基調とした伝統を維持発展させ、熱意・創意・誠意の三意に満ち、国際的視野を持った工業技術者を育成する。ことに主眼を置き、永きに渡る伝統と先輩方の熱き想いに支えられ、教育活動に取り組んでいる学校です。

学校正門

情報技術系の紹介

一類に属し、二年次より本格的な専門教育に取り組む本系では、想像力豊かな情報スペシャリストの育成を目指し
・電子回路
・電気基礎
・電気回路
・プログラミング技術
・ハードウェア技術
・ソフトウェア技術
・コンピューターシステム技術
・製図
・実習
・課題研究
などを学んでいます。


 また、専門的な知識と技術の深化を図るために、資格取得に積極的に取り組んでおり、情報処理技術者試験の応用情報や基本情報、情報セキュリティマネジメント、ITパスポート、工事担任者、第二種電気工事士、技能検定(電子機器組立)、危険物取扱者をはじめ、多くの資格取得にチャレンジを続けています。合い言葉は「資格は一生もの」で保護者の理解を得ながら取り組んでいます。
 工事担任者も第二級デジタル通信を中心に二年次に多くの者が朝課外の講習に参加して、成果を挙げています。CBT方式の導入により、従来の一斉指導方式での短期決戦は難しくなりましたが、チャレンジチャンスが増えたことは喜ばしいことです。
 ところで、本校では、もうひとつの教育方針「よき社会人となるために」が存在しており、そこには、豊かな教育風土に学び、心身の鍛練に努めるとともに、お互いの人格を尊重し、礼儀をわきまえ、感謝と奉仕の精神を備えた健やかでたくましい青年を育成する。と謳われています。故に各種部活動を奨励しており、部活動の時間確保のため、放課後の課外講習等は通常は実施できない流れです。課外講習は朝のみの実施です。生徒の自発的な学習と研鑽、そして教員とのQ&Aで資格取得に臨んでいるのが実情です。
 自らの意志で切り拓こうとする、磨かれた心で、取得した資格には、比類なき輝きと重さがあるのだと思います。
 チャレンジする高校生にエールを送りたいと思います。

大正9年(1920年)建造 コルニッシュボイラー用レンガ造り煙突
登録有形文化財 文化庁

受験合格体験記

情報技術系 3年 福森 響

 私は2年生の頃、取り組み甲斐のある難易度の高い資格に挑戦してみたく、工事担任者第二級デジタル通信に挑戦しました。最初はどのような公式を使い、どこの部分を暗記すればその用語の特徴を掴めるかに苦戦しましたが、先生方のご指導の元やわかりやすい解説のおかげで、個人で勉強するよりも効率的に覚えることが出来ました。試験まで2ヶ月の辺りから、徐々に過去問にも挑戦していき、分からなかったところはしっかりと答えの解説を読みました。それでも分からなかった場合はインターネット等の解説を見て理解していき、どんどん苦手を減らしていきました。
 しかし、過去問で低い点数を取ってしまい、諦めたい気持ちや不安が募っていきました。ですが、ここで諦めたらこれまでの努力が水の泡になってしまうという気持ちを持つことで何とか続ける事が出来ました。合格が決まった時はこれまでの努力が報われたような気がしてとってもスッキリしたことを鮮明に覚えています。

校舎(左)と体育館