【工事担任者の声 Vol.6】 「責任感を持て」の意味を仕事を通して理解しました


株式会社 アストエンジ
工事管理本部 北大阪保守センタ
ユーザー担当 保守マネージャ

川本 晟揶(かわもと せいや)さん

~高校時代について~

-川本さんは工業高校の電気科ご出身ですが、工業高校に入られたきっかけは何ですか?

 家に近かったのが一番の理由ですが、直接就職につながるようなことをしたいと思い工業高校に入りました。また、もともと理数系の科目が好きで、機械をばらしたりすることが好きだったので工業高校に入ってよかったです。

高校時代に資格を取られていますが、取る資格はどのようにして決めたのですか?

 担任の先生からの推薦が大きいですね。こういう資格を持っていればこういう仕事ができるとかアドバイスをもらって、取る資格を決めました。3年生の就職活動の前に第二種電気工事士と工事担任者(DD第三種)を取りましたが、電気科では電気工事士試験を全員受験していました。工事担任者は必要とされる領域が増えてきており、学校で勉強会も開いてくれるという話があり、先生も熱心にDD第三種を推してくれました。40人のクラスで7~8人が受験し、大半が合格していたと思います。

資格を取るときにはどんな会社に行きたいとか、すでに考えていたのですか?

 いえ、電気通信系の会社に入ろうと思ったのは就職活動を始めてからです。それまではできることを増やそうと思って資格を取っていました。ただ、電気系の会社に入ろうとはぼんやりと思っていましたので、担任の先生に相談すると電気工事士や工事担任者の資格を紹介されました。

そうなのですね。就職活動では具体的にどんな会社に行きたいと考えていましたか?

 わりと手先が器用なのと、電気工事士と工事担任者の資格を取っていたので、それらが活きる技術職がいいなと思っていました。あと、長続きしそう、安定していそうと思われる会社を軸に考えていました。そんな中でアストエンジはNTTの仕事をしていることが求人票に書いてあって、安定しているなと思い志願しました。電気工事系の求人もありましたが、電気工事は手先を使うよりも体を動かすことが多いというイメージがあり、電気通信系の会社に決めました。

~仕事について~

アストエンジに入ってどんなお仕事をされているのですか?

 入社してすぐの社内研修の後、個人宅やオフィスビルなどにある電話やインターネット回線の配線や通信装置の接続、開通工事を担当しました。基本的には、電柱から先にある個人宅やビル内の配線工事や端末設置が主な業務です。現在は、工事を行ったお客様先での保守点検や故障修理対応を行っています。ケーブルの断線や接続箇所の劣化の他、雷などにより装置が壊れたりすることが多く、故障箇所と原因によって、一人で対応するときもありますし、複数人で対応するときもあります。

仕事をしている中でよかったことはありますか?

 災害などでケーブルの断線などが発生しお客様が困っているときに、早く行って修理するとすごく感謝されるのはうれしいですね。最近は事務所での仕事が多くなりお客様のところへ行く機会が減りましたが、和歌山支店に勤務していたときはエリア全体を担当していたので、火事や豪雨などで故障が発生したりすることはよくありました。

お客様に感謝されるのがやりがいですね。

 それもありますが、難易度が高い修理だと楽しいです。複数の装置が接続されており、どの装置が壊れているのかわからない、ひょっとしたらケーブルが悪いのかもしれないなど、すぐに故障原因がわからない時は、装置を替えてみたり、ケーブルを外したりして通信状況がどう変わるかをみて故障原因を特定していくところに面白さややりがいがあります。また、似たような故障が多いですが、初めて見る故障や新しい装置があると、ある意味刺激になります。

仕事での失敗談などありますか?

 うーん、結構あるので、どれにしようかな(笑)
 仕事が忙しくて、書類の整備などが行き届かず、お客様のところに行かないといけないのに失念してしまったことがありました。その時は、お客様に多大なご迷惑をおかけしましたので直接、謝罪にお伺いしたことはもちろん、なぜそんなことになったのか、職場内でも夜遅くまで議論をして同じことが起こらないように再発防止策を練ったということがありました。

そこで成長があったのですね。

 はい。多忙なとき、無理なものは無理と早めに周囲にアラームをあげて相談することを心がけるようになりました。

会社に入って学生時代とこういうところが違うなど、新たな発見はありましたか?

 高校時代に担任の先生から「責任感を持て」と言われて、責任とは自分自身にふりかかることだと当時はなんとなく思っていました。いざ社会人になると、自分のやることなすことが、お客様や多くの仕事仲間など周りの全ての人を巻き込んで影響を与えてしまうことだとわかり、中途半端な責任感というのは周りに迷惑をかけてしまうんだなという認識を持つことができました。

職場(上司)はどんな雰囲気ですか?

 割と任せてくれており、仕事のやり方は自分で考えて自由にやらせてくれます。また、私の意見も聞いてくれるのでありがたいです。自由にやらせてくれていますが、困ったことがあり、色々聞きに行ったら相談にも乗ってくれます。

異動も頻繁にあるのですか?

 希望は出せますが、会社にお任せしています。和歌山には2年半くらいいましたが、今の大阪の職場とは雰囲気が違いますね。

~資格について~

次に資格についてお伺いします。就職のために高校時代にしておくことなどあれば教えてください。

 資格が必要な仕事はあるので、実務的な資格を取っておくと採用試験の際に有利になるのではないでしょうか。あと、アピールする上でコミュニケーション能力は必要なので、自分の強みを伝える上でも人と話すことに慣れている方がよいです。通信系の仕事をするのであれば、少なくとも第二級デジタル通信は取っておいた方がよいです。第二級デジタル通信の試験は、今ではいつでも受験ができるCBT(Computer Based Testing)方式となっていますので。

入社してからは資格取得について、会社から話があるのですか?

 私は入社前に電気工事士や工事担任者の資格を持っていましたが、持っていない人は上司から取得すべき資格を紹介してくれます。

資格を持っていると給料が上がったりするのですか?

 資格手当などはないのですが、取得した資格の種類によって報奨金があります、また、資格を持っていれば仕事がまわってきます。そのため、昇級や昇格のときなどにアピールしやすいですし、評価もしてくれるので、結果的に給料は上がりやすいです。

今お持ちの資格は何ですか?

 5年前にAI/DD総合種(現在の総合通信)をeLPIT(eラーニングによる工事担任者養成課程)で取得しました。今後は第一級陸上無線技術士を取りたいと思っています。

最後に高校生の皆さんに一言お願いします。

 私は担任から取得を勧められて資格を取りましたが、結構時間があったのに無駄にしていたなと思います。そのあたりを少しでも進みたい方向に必要な資格を取る時間に充てればよかったなと思います。私のように電気通信関連の仕事をするなら、工事担任者の総合通信の資格取得を目指すことをお勧めします。勉強時間と教えてくれる人がいれば時間がある学生のうちに取っておいた方がよいです。

ありがとうございました。

【DATA】

  • 企業名:株式会社アストエンジ
  • 本店所在地:大阪府大阪市城東区永田三丁目9番10号
  • 設立:1964年 6月 (第二近通工事株式会社として設立)
  • 事業内容:電気通信工事業、電気工事業、土木工事業、
         とび・土工工事業、ほ装工事業、解体工事業、
         管工事業、一般労働者派遣事業
  • URL:https://www.ast-eng.co.jp/