【工事担任者の声 Vol.3】 故障の原因を考えたり、解き明かしたりすることにはやりがいがあります

梶原祐介さん(左)と古谷多久磨さん(右)

エクシオ・エンジニアリング西日本株式会社
アクセスエンジニアリング部
梶原祐介(かじわら ゆうすけ)さん

古谷多久磨(ふるたに たくま)さん

「工事担任者」は、総務省所管の国家資格です。「工事?」、「担任者?」 初めて、この名前に接する人には、いったい何の資格なのか、よく分からないかもしれません。
 実は、ここで言う“工事”とは、端末設備などの電気通信設備と電気通信事業者のネットワークを接続する工事のこと。電気通信事業法、有線電気通信法などの法律や、それらの法律に基づく命令に準拠してネットワーク工事を行うには、工事担任者の資格が必要なのです。https://www.shiken.dekyo.or.jp/charge/about_charge.html

 工事担任者が、実際にどのような仕事に従事しているのか、工事担任者はどんな人たちなのか。様々な分野や組織で働く彼らの生の声を紹介します。

「電話やインターネット回線が動かない!」 故障修理チームの出番です

梶原祐介(かじわら ゆうすけ)さんと古谷多久磨(ふるたに たくま)さんは、電気通信工事の大手であるエクシオグループ株式会社の子会社、エクシオ・エンジニアリング西日本株式会社にお勤めの先輩・後輩の間柄です。梶原さんは就職して19年、古谷さんは5年目。お二人は同社のアクセスエンジニアリング部に所属し、NTT西日本様の回線の故障修理の仕事を担当しています。

故障修理チームをまとめる梶原さんは、オフィスで仕事仲間をまとめる司令塔です。

「私は統制業務という、仲間に指示をする立場で、「この仕事を古谷君お願いします」といった割り振りをしたり、お客さんからの問い合わせに対応をしたり、調整をしたりする仕事をしています。少し早めに来て、どのような故障が発生しているかを確認します。故障修理というのは、どうしてもお客さん次第のところがありますので、私たちが定時に帰宅した後に故障のご予約が入って、次の朝に来て確認するということがあります。それらを「依頼チケット」という形でパソコン上に表示させ、担当社員に分かるようにします。」

古谷さんは、梶原さんから割り振られた故障チケットに従って実際にお客様のところに出向き、故障修理を行います。

「始業時間が午前9時なので、8時50分ぐらいには会社に到着している感じです。まず会社でその日の故障の内容が「依頼チケット」としてパソコンに表記されるので、そちらを見て故障修理に行きます。」

梶原さんと古谷さんのチームは、兵庫県尼崎市内のお客様を受け持ち、古谷さんは、そうしたお客様企業の下を訪れ、修理を行います。

「私の担当はビジネスフォンと複合機で、会社の中にある電話機やファクスなどの故障修理を行います。お客様の会社で電話やインターネットが使えないと困ってしまいますので、それらがうまく動かないという連絡を受けて修理するという形になります。」(古谷さん)

ネットがつながらない時の対処方法はお手の物

梶原さんの率いているチームには、古谷さんを含めて12人が所属し、そのうち毎日約10人が個人のお客様宅や企業を回っています。故障はいつどこで起こるか分かりませんので、土日も交代で誰かしらは出勤しているのだそうです。話を聞くとかなり忙しそうなイメージ。残業も多いんでしょうか?

「古い建物や設備だと配線ルートが分からなかったり、設備が老朽化していると少し触っただけで壊れてしまったりといったイレギュラーなことがありますので、それで遅くなったりすることはあります。でも、基本的には定時で帰れます。」

この仕事の楽しさってどんなところですか?

「高校生はゲームが好きな人とか多いと思うんですけど、僕たちがやっている仕事はインターネットをつないだり、つなげない時につなげるようにしたりする仕事なので、うまくつながらないときの対処法などの知識は、プライベートの場でも役に立ちますね」とは古谷さん。

梶原さんは「故障修理といっても、いろんな原因がありますので飽きないですね。行った先でいろいろな故障があって、パズルではないですが、その原因を考えたり、解き明かしたりすることには楽しみややりがいはあるのかなと思いますね。あとは電話機やFAXを直したりするので、機械が好きな人には楽しいんじゃないかなとは思います。」とお答えくださいました。お二人の言葉には日夜ネットの基盤に関わり続けるプロの実感と余裕とが滲んでいます。

入社の理由は将来性、安定性、電気の仕事に関われること

電気通信ネットワークのバリバリの専門家であるお二人ですが、高校生の頃にはこの業界に対する大きな興味があったというわけでもないのだそうです。

「私の通っていた高校には電気科、機械科、メカトロニクス科の3つの科があって、1年生の時に三種類の授業を全部受けて、2年生に上がった時にどこの科に行きたいかを選択します。当時の私には将来何になりたいというのがなかったので、“通信業界は今後なくなることもないし、これからますます発展していく業界なので電気科がいいんじゃないか”という親や先生の勧めで、電気科に入りました。就職の時にはいろいろな会社から求人票が来ていたんですけれども、エクシオ・エンジニアリング西日本の求人票を見たときに、福利厚生などを見ていいなと思って選びました。」(古谷さん)

“通信業界はますます発展する”という言葉をご両親からもらい電気科で勉強した古谷さん

「私もせっかく電気科で3年間やったので、電気通信の業界で知識を活かせるというのがありまして、いろいろ求人が来ていた中で、このジャンルの中で見比べたときにこの会社の条件が良かったというのがありました。あと、求人票の中に「NTT設備の保守」というような文言があって、そのNTTという文字を見たときに、NTTという誰でも知っている会社の仕事にかかわっているところだと結構安泰なのかなと当時の自分は思いました。そうしたことを総合的に見て、ここにしようと思いました。NTTで電気の知識が関係するのだろうかとその時には思いましたけど、求人のパンフレットを見たときに機械の基盤みたいなものの前で作業をしている写真があったので、これだったらそういうのも活かせるのかなと思いました。」(梶原さん)

電柱に昇るとは思ってなかった!

お二人とも電気通信分野の将来性を信じ、その基盤を整備する事業を展開するエクシオ・エンジニアリング西日本株式会社を選んだわけですが、入社してみると、電気科出身のお二人にはびっくりするようなこともあったようです。

「ここの仕事って、外に出る仕事が思っていたのより多いんです。高校の電気科では電気の配線をするだとか、基板を触ったりするだとか、基板にプログラムを入れるだとか、そういう授業ばかり受けていたので、そういう仕事がメインだと思っていたんですけど、実際は外で電柱に昇ったりするんです。当時は正直電柱に昇るような仕事だなんて思っていなくて、かなりイメージは違いました。学生の頃は、サラリーマンの仕事はオフィスでする仕事というイメージが強かったので、入った当初は、「あっ、こういう仕事なんだな」とちょっととまどいました。」

「正直言うと、高いところは苦手でして、子供のころはジャングルジムの一番上まで昇れないぐらいでした。最初は落ちないように安全器具をつけていても、電柱にしがみついて昇る感じだったんですが、毎日やっていると、怖い気持ちはなくならないんですが、安全にできるということは分かってくるので、ビビりながらやるというのはなくなります。」

入社前は「電柱に昇るとは思いませんでした」と苦笑いの梶原さん

資格があれば広がる仕事の幅。チャレンジするにこしたことはない⁈

梶原さんも古谷さんも高校生の時に電気工事士の資格は取っているのですが、工事担任者の「総合通信」を取得したのは、実は最近のことです。会社の支援を受けた古谷さんは2022年、梶原さんは2023年3月に工事担任者の「総合通信」の資格を取得しています。会社からタブレット端末の貸与を受け、通勤時間の長い古谷さんはそれを用いて電車の中で学習をする日々だったそうです。

「この会社は、資格は結構取らせてくれる会社かなとは思っています。業務に必要となる資格が結構ありまして、例えば高所作業車で高いところに上がるのにも資格が必要になります。工事担任者もそうなんですが、仕事に必要な資格は取らせてもらえます。いろいろな部署で働いたときに、この資格が必要だからと取得していった資格が多いかなと思います。」(梶原さん)

梶原さんは、高校生が工事担任者試験に取り組むことに対し、とても前向きなご意見でした。

「私たちはNTT西日本様の回線工事の仕事をしていますが、工事担任者は国家資格で他社の工事でも必要な仕事ですし、いろいろな業種や仕事で役に立つと思うので、通信業界を目指す人はぜひ高校生の時にチャレンジしてみるといいと思います。私自身も高校生の時に取っていたらよかったなと思うところはありますし、狙えるのであれば、ぜひ挑戦してみてはいかがしょうか」

ベテランの梶原さんが、高校生の時に「取っていたらよかった」という工事担任者試験。電気や情報を勉強する高校生の皆さんには、まさにいま、この時点で門戸が開かれています。思い立った今がチャンスです。

  • 企業名:エクシオ・エンジニアリング西日本株式会社
  • 本社所在地:大阪市中央区内本町2-2-10
  • 設立:1979年8月
  • 資本金:2,000万円
  • 事業内容:アクセスソリューション、モバイルソリューション、ICTソリューション、公共系ソリューション
  • URL:https://exeoeng-west.co.jp/