Challenge! 川崎市立川崎総合科学高等学校

「ものづくり」と「理数探究」を担う川崎総合科学高等学校

川崎市立川崎総合科学高等学校
総合電気科 教諭  白川 賢一

学校紹介

 本校は昭和38年に川崎市立工業高等学校として始まり、電気科、電子科、建築科、土木科、機械科と定時制が設置されました。そして平成5年に校舎改築を行い15階建ての校舎と最先端の設備を導入したインテリジェントスクールとして再スタートを切りました。校名も川崎市立川崎総合科学高等学校とし、同時に学科も改変し、現在の情報工学科、総合電気科、電子機械科、建設工学科、デザイン科、科学科となりました。『誠実』『勤勉』『強健』を校訓とし、心理を探求し、教養を高め、専門の知識と技術を習得するとともに、心身を鍛練し社会人として自信を持って送り出すことを目標に現在まで続いてきました。

 本校は工業科5科と理数科1科を併せ持つ高校であり、工業科では資格取得や就職を目指すエンジニア系統と進学を目指す進学サポート系統があり、それぞれの進路にあった学習をします。科学科は川崎・横浜市内公立高校のなかで、最初に設立された理数科の課程です。理工系難関大学進学を目標に、英語・数学・理科の授業時間を豊富に確保しています。工業各科は高い専門性を維持しながらも、今後は各科の連携や地域企業との連携を深め、大学進学のサポートを更に強化するなど、大幅なカリキュラム変更も含めて検討中です。

総合電気科のものづくりと資格指導

 総合電気科では、電気のものづくりと資格取得に力を入れて指導しています。自分に必要なものが作れる事と、社会が認めるライセンスを取得することで、自信を持って社会に出て行ける人材の育成を行っています。自分に自信をつけることで、積極的に楽しく勉強を進めて行くことが出来るようになると思っています。

 ものづくりは、実習と課題研究の中で行っています。特に課題研究の授業では、総合電気科の中で発表し、科の代表を選び、その後各科代表による校内課題研究発表会を行い、1・2年生にも見てもらいます。先輩の発表を見る事で、自分も何か作ってみたいと考えてくれる事を期待して行っています。

 資格取得の指導では、工事担任者DD3種と第2種電気工事士を中心に資格取得の指導にあたって来ました。この他にも、DD1種、AI3種、第1種電気工事士や2級電気工事施工管理技術検定を受ける者もいます。DD3種の対策は、勉強会という形にしており、生徒同士で教え合う事を大切にしながら指導しています。総合電気科は、3年生から電気工学コースと電子工学コースに分かれますが、電子工学コースの通信技術などの理解が深まるので良いと感じています。30年前頃より工事担任者デジタル1種の資格対策から始めましたが、最近は生徒も教員も放課後が忙しく、ゆっくり資格の勉強をする時間がとれず困っています。資格の指導をやっているときは、生徒も教員も目標がはっきりしており、とてもやりがいを感じることができるので、この時間をゆっくり取りたいといつも思っています。

最近の主な資格取得状況

資格名 取得人数
H29年 H30年 R元年 R2年
工事担任者 DD3種 8 2 24 2
工事担任者 DD1種 2 2 1 0
工事担任者 AI 3種 4 1 3 6
第1種 電気工事士 3 6 8 6
第2種 電気工事士 32 31 37 24
2級電気工事施工管理技術検定 16 18 14 17
消防設備士 乙種7類 8 0 9 0
危険物 乙種4類 10 11 4 1

合格者の声

前田祐一郎(令和3年度 総合電気科3年生)

 私が工事担任者を受けようと思ったきっかけは、受験案内を見て興味を持ったからです。一発合格を目指して試験の一ヶ月前から勉強に取り組みました。テキストの内容をノートに書き写したり、過去問題を繰り返したり、友達と互いに教え合ったりして理解を深めて行きました。今回の経験を活かして、今後も様々な資格に挑戦して行きたいと思っています。

伊勢庸太(令和2年3月総合電気科卒業 JFEプラントエンジ㈱勤務)

 私は高校三年間で資格取得に力を注ぎ、多くの資格に挑戦しました。その一つとして高校2年生の時DD3種に挑戦しました。
 DD3種を受けた際に基礎、技術、法規と3科目あり、元々勉強が得意ではなかったので法規の分野で苦戦しましたが、夜遅くまで学校に残りクラスメイトと問題を出し合い勉強していました。担当の先生も夜遅くまで協力して下さり、無事1度で合格することができました。一人では勉強が続かず諦めてしまっていた資格勉強ですが、仲間と知識を深め合えば大きな壁でも乗り越えられると知りました。
 現在は就職をして会社に入りましたが、先輩や同期とこれからも多くの資格に挑戦していきたいと思います。