challenge! 福井県立科学技術高等学校

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ICTのスペシャリストをめざそう!

工事担任者AI・DD総合種取得に向けて

福井県立科学技術高等学校
情報工学科長 千葉晴信

学校紹介

 本校は,1907(明治40年)に開校し,今年で創立110周年を迎える,たいへん長い歴史と伝統を誇る工業高校です。「よりよい社会をつくる人となろう」を教育信条とし,開校以来これまでに15,000名を超える卒業生を送り出してきました。

 現在の設置されている5つの学科(機械システム科,化学システム科,テキスタイルデザイン科,電子電気科,情報工学科)では,充実した施設・環境の中で,基礎基本となる知識・技能の習得から先端技術の学習まで幅広く学ぶことが出来ます。さらにそれぞれの学科が「ものづくり」や「資格検定取得」や「地域との交流」など特色のある教育活動を通じて,新しい時代に必要となる資質・能力の育成や主体的・対話的な学びを深め,社会に貢献する人材の育成に努めています。

 また,本校は就職だけでなく進学にも実績のある学校であります。特に工業系の大学に希望する生徒のために,学校設定教科「数理探究」を2・3年次に開講し,高大接続をサポートし,毎年国公立大学にも進学実績を上げています

情報工学科の紹介

 情報工学科では,内閣府が提唱した我が国が目指すべき未来社会の姿「Society(ソサエティ) 5.0」の時代を担っていけるような,ICTのスペシャリストをめざしています。まず,プログラミング言語の学習ですが, C言語はもちろん,アセンブリ言語,VBA言語など何種類もの言語を幅広く学習しています。他にもアプリケーション操作などのソフトウェア技術やコンピュータの仕組みを扱うハードウェア技術,ネット社会に欠かせない通信技術も学習します。また情報分野の学習だけに偏ることなく,電気分野や機械分野など情報分野を取り巻く様々な分野もしっかりと学習し,さらには 3DCADや3Dプリンタ,VRなど新しい時代の知識・技術も学習します。

3D技術によるものづくり
VR体験

 また情報工学科では,難関国家試験・国家資格の合格に向けて力を入れています。入学時より,ICTのスペシャリストをめざすために「知識の証明には情報処理技術者試験」,「技術の証明には工事担任者,無線従事者,電気工事士の3種類の資格」を推奨しています。経済産業省とIPA(情報処理推進機構)による難関国家試験である情報処理技術者試験では,1年生から何名もの生徒がLEVEL1のITパスポート試験に合格し,上級生になるとLEVEL2の基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験,LEVEL3の応用情報技術者試験でも合格者が出ています。この他にも,第二種電気工事士,陸上特殊無線技士,工事担任者DD第1種をはじめ,1年生入学時から3年生1学期までの間に,約10種類もの資格・検定試験に全員受験で取り組んでいます。これまでに,高校生には超難関である第二級陸上無線技術士に2名合格したり,工事担任者AI・DD総合種(AI第1種とDD第1種の両方の合格含む)が1クラス18名合格したりと,その快挙は地元新聞に何度も取り上げられています。

廊下には資格合格者の賞状がずらりと並ぶ
地元メディアの報道も数多い

工事担任者の取り組み

 情報工学科では2年生の2学期に,工事担任者DD第1種に全員受験で挑戦しています。1学期には,第二種電気工事士に全員受験を経験しており,2学期のスタート時に「これからは電気工事士と工事担任者の資格を取って電気も通信も知っている技術者になる時代だよ」と日本データ通信協会のパンフレットで工事担任者の概要を説明します。就職の求人要望でも第二種電気工事士と工事担任者DD第1種取得を望ましく思う声が多いこと,ICTのスペシャリストを証明するためにも必要な資格であることを伝え,生徒のモチベーションを高めに高めます。ただしこれまでの授業での学習では足りていない分野の知識が多いため,朝と放課後の補習と課題による自主勉強で補います。また生徒はこの時期までに数多くの資格・検定試験の経験があり,補習や課題の取り組み方は徹底して身についています。

情報工学科の試験計画

 まず9月はじめから法規は自主勉強で取り組みます。リックテレコム社の「工事担任者DD1種実戦問題」を全員が購入し,法規の問題集を課題として何度も取り組みます。また同時に9月から10月前半までは基礎の補習を朝と放課後に行っています。問題集や過去問を利用して,特に電気回路,電子回路,伝送理論の計算問題を中心に解説しています。この後10月前半から11月半ばまでは技術の補習を行います。端末設備の技術や接続工事の技術は全く未知の学習だけに,丁寧に解説しています。情報工学科としてこれまで多く学習してきた分野,例えば基礎の論理回路や電気・電子分野,技術のネットワークの技術や情報セキュリティの技術などは生徒たちに馴染みはありますが,他の分野はほぼゼロからの学習なので,課題での繰り返し学習を多めに行いながら対応します。そして11月に入ってからは補習と同時進行で,各科目の模擬試験を毎日のように行い,その成果を確認します。

 情報工学科として初めてのDD第1種の挑戦は平成29年度の第2回試験からですが,33人受験で16人が合格,14人が科目合格という結果でした。3年生になり,DD第1種を取得した生徒は次にAI第1種の技術と法規を受験してAI・DD総合種を目指す生徒が多くいます。またそれ以外の生徒はDD第1種を再び受験する生徒と,AI・DD総合種受験に切り換える生徒に分かれます。この時期の補習は4月末から5月の試験直前までAIの技術のみとなります。法規の自主学習や技術の繰り返し学習には,リックテレコム社の「AI1・2種精選問題集」を使用しました。

 今後も工事担任者の指導にますます力を入れ,情報工学科の生徒全員がAI・DD 総合種を取得できるよう取り組んでいきたいと思います。また合格できれば情報通信エンジニアも申請し,ICTのスペシャリストとして,「Society5.0」に欠かせないネットワークや通信技術の分野を,本校情報工学科の生徒が担っていけることを期待しています。