Challenge! 岐阜県立高山工業高等学校

岐阜県立高山工業高等学校
電気科 教諭 河渡 祐一 氏

学校紹介

岐阜県立高山工業高等学校 外観

 本校は岐阜県の北部飛騨地方の高山市内にあります。本校は飛騨地区唯一の工業高校であり、豊かな人間性とたくましい実践力を身につけた、調和のとれた工業人の育成を目指しています。「電気科」「電子機械科」「機械科」「建築インテリア科」の4学科編成です。「工事担任者」の受験は、電気科は平成22年から、電子機械科は平成28年から推奨しています。

電気科のとりくみ

 電気科は電気の理論や計測などの基礎・基本を学び、その上で発電、送電などに関する電力技術や、電動機、変圧器などの電気機器について実験・実習を通して学びます。

 各種検定・資格取得は全員で挑戦しながら電気技術者をめざして学習します。1年生では、計算や情報技術の基本的な検定に挑戦し、クラス全員で合格を目指す意識を育てます。第二種電気工事士は1年生の3月に全員受験申請を行い2年生の7月まで合格に向けた学習を行います。卒業までに約90%が合格します。第一種電気工事士は希望者のみの受験としていますが、ほぼクラスの半数が受験します。工事担任者は、3年生の通信技術という選択科目を選択した生徒は全員受験しています。段階的に検定や資格に挑戦する場面を設けて生徒の意欲を高めると供に電気の専門知識の基礎をふまえた学習を積み重ねていくことによって生徒が主体的に資格取得に取り組めるようにしています。また、合格発表のたびに新聞社等にFAXで情報を提供し取材の依頼をしています。H24年秋に、新聞社にDD2種合格について取材していただき、H27秋にDD1種合格について3社に取材していただけました。新聞で報道されることによって合格した生徒は達成感を感じると共に、後輩にも資格取得へ挑戦する意識を高めることができると考えています。

 後述の生徒の手記からは資格取得の挑戦を通して主体的に学ぶ態度や、課題を解決する力を身に付けている様子が見て取れます。今年も電気の学習内容を充実し、基礎・基本を確実に習得したうえで、通信技術の進展に主体的に対応できる技術者の育成を目指したいと思います。

H24秋 H25秋 H26春 H26秋 H27春 H27秋 H28春 H28秋
DD3 受験者数 9 12 2 18 1 15
合格者数 2 2 2 3 1 3
DD2 受験者数 1
合格者数 1
DD1 受験者数 2 3 4
合格者数 1 2 3
総合種 受験者数 1 2
合格者数 1 2

表1 高山工業高校の工事担任者受験者数と合格者数の推移

合格者の声

電気科3年 坂本 純二

電気科3年
坂本 純二

今年6月にDD 第一種を、11 月にAI・DD 総合種に合格することができました。この時代、通信や情報に関係することは必要で重要になってくると思い、先生にも勧めていただいたので受験することに決めました。試験の内容は知らないことばかりで勉強の仕方にはすごく戸惑いました。しかし、わからないところは理解できるまでやることや、毎日継続してコツコツ勉強をすること、先生にわかるまで教えていただくことが合格につながったと思います。卒業後は航空宇宙関連の企業で働きます。これからももっと通信や情報に興味を持ち、わからないことを理解していけるよう努力していきたいです。

電気科3年 氷見 大輔

電気科3年
氷見 大輔

私は平成28 年度の第二回目にAI・DD 総合種に合格することができました。私は第一回目のときDD 一種に合格しました。これからもこの調子で頑張りたいと思います。全国工業高等学校長協会が主催するジュニアマイスターの特別表彰を取りたいと思い挑戦しました。総合種を受かったと知ったとき仲間でオムライスを食べに行きました。

電気科3年 大家 功暉

電気科3年
大家 功暉

私は平成28 年度の第二回目にDD第一種に合格することができました。放課後には一緒に受験する人たちと集まってわからないところを教え合いながら勉強しました。家では過去問題をたくさんやり、わからないことはテキストの解説を読み徐々に点数を上げていきました。それでも本番ではわからない問題がありました。自己採点の点数はギリギリでしたが合格することができてよかったです。

電気科3年 阪谷 祥吾

電気科3年
阪谷 祥吾

私は、今回工事担任者DD 第一種を取得しました。私が工事担任者を受験した理由は、クラスメイトが春に工事担任者DD 第1種に合格したことがきっかけで、自分も合格したいと思ったからです。放課後に学校に残って先生や一緒に受験するクラスメイトにわからない事を聞きながら勉強しました。それでも、試験当日まで勉強が不十分で試験開始ギリギリまでテキストを読みました。自己採点でも不安が残る結果でしたが、無事合格できたのでよかったです。

電気科3年 中島 峻貴

電気科3年
中島 崚貴

私はDD 第一種に合格することができました。最近、発電所のネットワーク化が急速に発展し、それに伴い端末設備等の機能、構造も高度化しています。配電や送電の端末設備等をネットワークに接続するためには、工事担任者資格が必要だと知り受験することを決めました。資格の取得に向けて毎日勉強しました。過去問を何回も解き、分からないことがあったら先生や友達に聞き理解していくことによって合格することができたと思います、これからは電力の安定供給に貢献していける技術者になりたいと思っています。

(初出:機関誌『日本データ通信』第215号(2017年7月発行))