【工事担任者の仕事Vol.22】資格の取得は仕事の理解向上とさらなる資格への意欲向上

株式会社 谷山通信工業
内山 卓実(うちやま たくみ) さん

 鹿児島市にある谷山通信工業は、フレッツ光などNTTの光回線の接続工事を主な業務としている電気通信工事会社です。
 体を動かす仕事が好きな内山さんは普通科高校出身で、電気や通信の専門知識がなく入社しましたが、eLPITエルピット(e-ラーニングによる工事担任者養成課程)を使って初めての資格を取得したことで、仕事内容の理解が深まるとともにさらなる資格取得への意気込みが出てきたと語ります。

~基礎知識がない中で電気通信工事会社へ入社~

-内山さんは2020年の入社とのことですが、入社前のことを教えてください。

 生まれ育ちは鹿児島で、普通科高校の出身です。数学は苦手でしたが物理が好きだったので鹿児島にある大学の理学部に行きました。主に熱力学などを学んでいましたが4年生のときに中退をして就職しました。

-その後、今の会社に入られたのですか。

 いえ、最初は警備員の仕事をしていました。電気工事の現場などで道路の交通整理などを行う仕事です。当時は電気工事や電気通信工事には全く興味がなかったのですが、工事の現場を見たり、作業員の方と話をしたりしているうちに徐々に電気通信工事に興味がわいてきて谷山通信工業に入りました。ただ、工業高校出身でもなく電気や通信を学んできたわけではないので、何もわからない状態での入社でした。

-入社してすぐに研修があったのですか。

 個人宅に光ファイバーを配線して装置の取り付けを行うことが仕事なのですが、最初は見習いで現場についていき、ただ見ているだけでした。入社して1か月後に元請会社の研修会に参加しました。そこで配線のやり方やバケット車の操作方法や電柱に登っての作業などを学びました。高所作業の研修では墜落制止用器具を付けてはいるのですが、電柱に登っているときに「手を放してみて」と言われたときは本当に怖かったです。(笑) 風が強く揺れたりすると今でも怖いです。

-1人で仕事ができるようになったのはいつぐらいからですか。

 基本的に2人1組で仕事を行うのですが、研修が終わった後からは2人1組となりました。ただ、作業内容を覚えきれてはいなかったので、1人で仕事ができるようになったのは1年以上経ってからです。

-仕事を覚える上で苦労したことがあれば教えてください。

 どの工事でも電柱にある光回線からお客様宅に光回線を引き込み、光信号をデジタル電気信号に変換する装置(=ONU)を取り付けるという作業は同じなのですが、現場ごとに取り扱う材料や装置が異なります。個人宅では取り付けるコネクターの種類が現場ごとに異なりますし、マンションなどで使う光回線を分岐するスプリッター(=分波器)にもたくさんの種類があります。この現場ではどういう材料、装置を使う必要があるのかということがわかるようになるまで、だいぶ時間がかかりました。

-一般家庭でも10Gbpsの光通信のサービスが出てくるなどしていますが、材料や装置も日々変わってきているのですか。

 はい。設備が新しくなり、それにともないONUが新しくなったりもします。使い方は変わらないですが、使う材料は変わることがあります。新しい装置が出るとNTTから周知されますが、社員が集まって装置や手順書などを確認したりもしています。

~現場作業の楽しさを改めて認識~

-普段の仕事の内容を教えてください。

 自宅は車で10分くらいのところで、7時40分頃に出社しています。8時の朝礼でその日の仕事内容の指示があり、その後、元請会社とのWeb朝礼を行います。朝礼では直近で発生した事故やトラブル情報の共有や、社員相互で体調、安全チェックを行います。
 8時半には現場に向かい、9時頃から作業を開始します。だいたい1日に10件程度はこなします。
 夕方には事務所に戻って翌日の作業計画を立てます。NTTからくるオーダー内容を確認し、どのような工事になるか、どのようなルートで回ると効率的かを考え、お客様と訪問時間を調整します。

-現場では予定よりも作業時間がかかってしまうことなどもありますか。

 たまにあります。ほとんどの家には屋内に光回線を引き込むための配管口があるのですが、家のつくりによってはうまく配線できず詰まってしまったりすることもあります。また、そもそも配管口がない家もあり、回線を引き込む場所を探す場合もあります。

-夜勤などはありますか。

 交通量が多い国道沿いなどで、昼間にバケット車を止めることができない場合は夜間に作業を行うことがあります。また、銀行などが入っているビルだと昼間に回線を切ることができないため、営業が終わっている夜間に作業を行うこともあります。

-現場作業で大変なことはありますか。

 屋外の仕事なので、夏や冬などでは天候による体力的な厳しさがあります。特に夏場は高所作業でフルハーネス型の墜落制止用器具を付けたりすると暑さがこたえますので、休憩をとりながら作業をしています。

-逆に楽しいことややりがいなどはありますか。

 この職業に就かなかったら知らなかっただろうという知識が得られることには新鮮味があります。特に私の場合はONUといった装置も知らずに入社したので、こういう仕組みでインターネット回線が自宅に入ってきているのかということを知ることができたことはよかったです。
 また、机に座っての仕事よりも体を動かす仕事の方が好きで、屋外での仕事の方が向いているのだろうなと、この会社に入って改めて思いました。

~資格の取得がさらなる資格取得を目指す気持ちにさせる~

-eLPIT(e-ラーニングによる工事担任者養成課程)を使って第一級デジタル通信を取られたそうですが、いつ取られたのですか。

 去年の9月ころから始めて、今年の3月に修了しました。パソコンやスマートフォンでも受講できるので、私はスマートフォンを使って仕事の空き時間や帰宅してからの時間を利用し、1日に1時間程度のペースで受講しました。

-eLPITの合格率は試験を受けての合格率よりも高い傾向ですが、理解のしやすさやわかりやすさというのはありましたか。

 以前、第一級デジタル通信の参考書を本屋で手に取ったことがあるのですが、難しすぎて開いた本をすぐに閉じてしまいました。(笑)
 参考書を読んで問題を解くという勉強の手順は同じですが、eLPITには図やグラフを見ながら音声を読み上げる解説がありますし、1つの単元が終わると確認テストがあります。また、確認テストを受けた後にも解説が出てくるので、そこで復習ができますし、それでもわからなければテキストに戻って確認をします。繰り返し学習するようにできているので身に付きやすかったです。

-2020年から電気通信工事のお仕事をされており実務で得た知識が多いと思いますが、その知識とeLPITの受講内容と似ているところはありましたか。

 実務経験があったことで理解しやすかったところはありました。また、あまりよくわからず作業していたことがeLPITを受講したことで背景や仕組みを理解した内容もありました。どちらかというと普段の業務内容の復習といった感覚でした。

-今後何か取ろうとしている資格はありますか。

 今まで勉強に対して苦手意識があり、資格を取ろうという気持ちがあまりなかったのですが、今回初めて資格を取得できたことで、今後さらなる資格に挑戦していこうかと思うようになりました。実務との兼ね合いもありますので、まずは今の仕事でどういう資格を持っているとよいのかを調べてみようと思います。

-今後、若手が入ってきたときにはどのような指導をしていきますか。

 工業高校出身の人が入ってきたら私よりも知識が豊富なのかもしれません。私は何もわからない状態で入社したので、逆にここがわからなかったという自分のことを振り返りながら教えてあげることができるのかなと思います。

-資格について一言お願いします

 資格が無くてもできる仕事はありますが、持っていた方が幅も広がるし、将来の選択肢も広がっていくと思います。将来就きたい職種が決まっていればそれに関連する資格を取ればよいですし、まだ決まっていない人は、将来の選択肢を増やす意味でも資格を取ることは大事なことだと思います。

-ありがとうございました。

【DATA】

  • 企業名 :株式会社 谷山通信工業
  • 所在地 :鹿児島県鹿児島市山田町3411-3
  • 設立  :1970年2月
  • 事業内容:
    ・フレッツ光などインターネット用光ケーブルの各家庭、企業への引き込み工事
    ・NTT電話局内の交換機設備の配線及び試験
  • URL:https://www.taniyama-tk.co.jp/index.html