【工事担任者の声 Vol.5】 資格を持っていると仕事に活かせるし、伸びしろも違います

株式会社群電
通信システム部 係長
本多修平(ほんだ しゅうへい)さん

「工事担任者」は、総務省所管の国家資格です。「工事?」、「担任者?」 初めて、この名前に接する人には、いったい何の資格なのか、よく分からないかもしれません。
 実は、ここで言う“工事”とは、端末設備などの電気通信設備と電気通信事業者のネットワークを接続する工事のこと。電気通信事業法、有線電気通信法などの法律や、それらの法律に基づく命令に準拠してネットワーク工事を行うには、工事担任者の資格が必要なのです。https://www.shiken.dekyo.or.jp/charge/about_charge.html
 
 工事担任者が、実際にどのような仕事に従事しているのか、工事担任者はどんな人たちなのか。様々な分野や組織で働く彼らの生の声を紹介します。

本多さんのご出身は群馬ですか?

 はい、群馬の工業高校電気科を卒業した後、通信系の専門学校に行きまして平成16年に卒業しました。卒業してすぐは、今とは別の通信系の工事会社に6年ほどいまして、その後、群馬県を拠点とした群電に入社しました。

高校時代はどのような資格を取られたのですか?

 消防設備などの資格を取りました。電気工事士は社会人になってからですね。電気工事士の試験は学校の授業内容と重なる部分があったので、私の場合は少し時間があいてしまいましたが、高校当時を思い出しながら勉強しました。

今はどんなお仕事をされているのですか?

 官公庁や金融機関、サービス業の方などがお客様で、ビジネスホンなどの機器の設置や設定、LAN回線の敷設などです。最近はネットワークカメラなどの通信工事の施工も行っています。私のいる施工グループは17名で、案件の規模に応じてさらにグループ分けをして対応します。小さな案件であれば1人で対応する場合もあります。また、ここ3年くらいは毎年新人が入ってきており、若手も現場に連れていき指導しながら作業しています。入社してすぐは右も左もわからないですが、2、3年経てば多少なりとも自覚が出てきます。勤務は、基本的には平日のみですが、お客様からお願いされた場合は土曜日、日曜日に仕事をする場合もあります。

今のお仕事はどんなところが難しいですか?

 LANの配線工事では、お客様がどういうものをどう使おうとしているのかなどによって、配線の仕方は変わってきます。どんな施工をすれば満足してもらえるのかはお客様によって違いますので、こうすればよいという正解が1つではないところが難しいですね。やはり経験を積んでいかないとわからないところがあり、もう少しこうした方がよかったかなと思うことがあれば、それは次に活かすようにしています。

本多さんが今まで行ってきた仕事の中で、よかった仕事、成功した仕事を教えてください。

 8年前ですが、大病院の新築現場で電話、LANの施工を行いました。大きい病院だったのでいろいろな診療科があり、「ここにこういう医療機器を設置して、ここと接続して」などお客様である病院の方からたくさんの要望がありました。また、医療機器の設置では専属の業者がいますので、その方たちとも調整、協力をしながら進めていく必要もあり苦労しました。長期間で大変な工事でしたが、最終的には自信になりました。
 お客様の要望を踏まえてこちらから提案した内容で工事をしたあと、お客様から「使いやすいです」などの声をいただくと、やりがいを感じます。

いままでの経験が活かせて、より自分が成長できた仕事だったのですね。次に、工事担任者についてお聞きします。今お持ちの資格の種別は何ですか?

 昔のDD第一種(現「第一級デジタル通信」)を持っています。社会人になってしばらくすると、スマホやWi-Fiなどのネットワーク関連の仕事が多くなってきたので工事担任者を取らないといけないなと思っていました。

仕事をしながら受験勉強をしたのですね。

 はい、仕事の合間に参考書を読んだり、帰宅してからも勉強していました。なので、3か月ぐらいの計画を立て、「基礎」、「技術」、「法規」の各科目を3回に分けて受験しました。

3回に分けて受験したのですか?それは大変でしたね。

 はい、会社に入る前に取っておいた方が、資格取得で得た知識を活かしつつ仕事ができるので、早くから仕事に慣れることができ、そのぶん伸びしろが違うと思います。また、就職の際の面接でも電気通信工事ができるということがアピールできるし、学生時代に取ったということ自体が武器になります。

 高校生活も忙しいとは思いますが、やはり仕事をしながら資格を取るというのは大変なことなので、少しでも余裕があるなら高校時代に取っておいた方がよいです。

会社からは資格手当も出るのですよね。

 はい、工事担任者を持っていれば手当が出ます。電気工事士も同じで、両方持っていればそれぞれに対して手当が出ます。いろいろな資格を持っていると、経済的にもメリットがあります。この点も早く取っておいた方がよいという理由の一つですね。

最後に今の高校生に一言お願いします

 お客様は、技術力のある人に工事をお願いしたいと思っています。国家資格を持っているということは、それだけの技術を持っているという証明になり、お客様に技術力を示すことができます。高校時代にはいろいろな資格にチャレンジしていってください。

【DATA】

  • 企業名:株式会社群電
  • 本社所在地:群馬県前橋市大渡町一丁目19番地6
  • 設立:1953年9月
  • 事業内容:電気通信設備工事業、情報通信設備工事業、
         映像機器設備工事業、電気設備工事業、
         太陽光発電事業
  • URL:https://gunden.com/