challenge! 金沢市立工業高等学校

金沢市立工業高等学校
電子情報科 教諭 中野 克也 氏

学校紹介

 本校は、今年で創立90周年を迎える金沢市が設置する唯一の高校です。教育目標として、「高い教養と優れた技能を 責任ある言動と協調の精神を 勤労の喜びと健全な心身を」掲げ、「ものづくり」の感性と工業の基礎・基本を身に付けた地域産業の期待に応える人材を育成し、創立以来、20,000人を超える卒業生を社会へ輩出しています。
 幾多の学科改編を繰り返しながら、現在は5科(機械、電気、電子情報、建築、土木)があり、生徒数は717名(平成30年4月現在)です。進路は、就職が6割、進学が4割です。
 運動部活動も盛んで、水球部のインターハイ2連覇を始め、相撲、バドミントン、剣道、弓道が全国大会へ出場しています。

工事担任者試験への取り組み

 本校では、全生徒に資格カレンダーを配布し、各資格試験や検定試験の受験を積極的に奨励しています。また3年次には、全国工業高等学校長協会が認定するジュニアマイスターの取得を目指して、在学中ひとつでも多くの資格を取得することができるよう推奨し指導しています。
 さて、標記にもあります工事担任者DD3種試験への取組ですが、電子情報科の2・3年生の希望者が積極的に受験しています。合格すると本科では専門科目「電子技術」の増加単位になります。したがって「電子技術」の授業で、試験に出題されるような通信技術の基礎理論を学習しています。その他、本科では技能検定3級電子機器組立てを資格取得の大きな柱としています。それら以外に、ITパスポート、第2種電気工事士など、電子、電気、通信、情報の分野を幅広くカバーし卒業後、即戦力に繋がるように資格指導を行っています。具体的な資格取得の流れは、次のとおりです。

(1) 第1学年
ア.  6月 計算技術検定3級
イ.  7月 技能検定3級電子機器組立て
ウ.  1月 情報技術検定2・3級C言語

(2) 第2学年
ア.  10月 第2種電気工事士
イ.  11月 工事担任者DD3種
    科目「電子技術」「電子回路」「電気基礎」で、基礎関連の学習をします。
    「実践問題集」で、受験者は法規と技術を各自で学習します。
    過去4回分の問題を渡し、過去問題で試験対策をします。
ウ.  随時、ITパスポート

(3) 第3学年
ア.  4月 基本情報技術者
イ.  随時、ITパスポート
ウ.  5月 工事担任者DD3種、秋にDD3種合格者は総合種を受験
    3年次に科目「電子技術」「電子回路」「電気基礎」があり、クラス全体で基礎関連の学習をします。
    また、「実践問題集」で受験者は法規と技術を各自で学習します。
    さらに、過去4回分の問題を渡し、過去問題で試験対策をします。
    特に、通信ネットワーク関連企業への就職希望者は、総合種の取得を推奨しています。

 電子情報科教員は、工事担任者をはじめ各資格・検定が、生徒の将来や進路に役立つように合格を願いながら、日々指導にあたっています。
 最後に、ここ近年、受験希望者が減少傾向にあります。しかし、インターネットやスマートフォンなど情報通信が急速に普及した現在の社会において、今後さらに情報通信の設備や社会基盤の整備が必須になってくると考えられます。したがって工事担任者の資格や、通信技術に関する知識・技能はますます必要になってきます。その必要性を生徒たちに認識させ、情報化社会で即戦力となる技術者を育成していきたいです。

合格者の声

電気情報科3年
桑原 誓

私がDD3種を受験しようと思ったきっかけは、就職希望先が情報通信関係だからです。昨夏、地元の情報通信関連の企業で就業体験をさせていただく機会があり、学校で学習した専門科目「電子技術」や「情報技術基礎」などの内容が役に立ったからです。そしてより一層、情報や通信関連に関する知識や技術を習得したいと思うようになりました。
実際に、DD3種の勉強は、試験の約1ヶ月前から真剣に取り組み始めました。参考書として、リックテレコムの「工事担任者DD3種標準テキスト」を活用しました。このテキストを毎日読み続け、残り一週間は過去問を解き続けました。一ヶ月頑張って合格できたので、うれしかったです。次は、AI・DD総合種受験するので、合格目指して頑張ります。

電気情報科3年
服部 仁哉

私がDD3種を受験した理由は、2年次の夏休みに就業体験があり、通信関係の会社に行きました。そこで授業で学習したような情報関係や通信関係の実物や聞いた用語などが、たくさん出てきたり、触れる機会がありました。これまで学校で勉強してきましたが、さらに知識や技能を高めたいと思いました。実際の試験対策では、基礎の計算、論理回路などの既習事項は、軽い復習程度で済みました。それ以外は未習事項が多く、覚えなければできない問題がたくさんあり難しかったです。参考書を基本にわからないことは繰り返し学習するよう努めました。また最後は、過去問題を何度も繰り返し解くことで、合格へ辿りつくことができました。