【工事担任者の仕事Vol.21】学生時代の資格取得が就職後の糧になります

株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
東京北エリア統括部 サービスセンタ(中杉)
千葉 海晴(ちば かいせい) さん

 NTT東日本の通信回線を支えるNTT-MEは、通信回線の保守・管理だけでなく、地域に密着した現場力とテクノロジーの力で、地域の新しい価値創造に貢献するプロフェッショナル集団です。
 その一員である千葉さんは、今の故障修理業務をただ単にこなすだけではなく、何か改善できることがないかを常に考え、新しい知識、スキルを身につけようとしています。その始まりも学生時代に取得した工事担任者資格からです。

~父親の勧めもあり取得した工事担任者~

-学生時代のことを教えてください。

 高等専門学校の機械エネルギーコースという機械系の学科の出身で、旋盤やフライス盤などを使った金属加工や溶接の他、金属を溶かして加工する鋳造や叩いて変形させる鍛造の実習などモノづくり系の勉強をしました。

-機械系のコースに行こうと思ったのはなぜですか?

 学校にはキャンパスが2つあり、自宅から通えるキャンパスには機械エネルギーコースとロボティクスコース、マテリアル環境コース、建築デザインコースの4つのコースがありました。4つのコースの中でも特に機械エネルギーコースは工学全般を幅広く学べるコースだったことから、機械エネルギーコースを選びました。

-機械系ではなく情報通信系の会社を就職先に選んだのはなぜですか?

 1つは学校の就職実績にNTTがあったこと、もう1つは在学中に取得した工事担任者AI・DD総合種(現在の総合通信)の資格を活かせる会社という観点で選びました。
 また、小学生の時に宮城県で震災を経験し、NTTの方々が復旧作業をしているところを間近で見て、将来は通信設備を保守している会社に勤めたいという思いがあったことと、父親もコンシューマー向け製品の故障修理の仕事をしていたことから、自分もお客様と接する故障修理の会社に行きたいという思いもありました。

-学生時代に工事担任者の資格を取られたのですね。

 高専は単位制で、単位取得になる資格として工事担任者がありました。また、父親も工事担任者AI・DD総合種の資格を持っており、社会に出た際に有用なこの資格を勧められたことも取得した理由の1つです。

-どれくらい勉強しましたか?

 約3か月です。独学で参考書を読み、ひたすら過去問題を解きました。基礎科目は、電気回路やデジタル回路などの授業があり理解できましたが、技術科目と法規科目はほぼ暗記でした。ただ、会社に入って改めて見返すと、今の仕事の内容と深くかかわっていることがわかります。

-その他に取得した資格はありますか?

 18歳で普通自動車第一種運転免許を取り、4年生の時にガソリンスタンドのアルバイトをするために危険物取扱者乙種第4類を取りました。また、NTTへの就職を考えていたので、さらに必要な資格を調べて、電気通信主任技術者の伝送交換も取得しました。当時は試験科目数の4科目に対し、専門科目だけが不合格だったのですが、ちょうど資格制度が変わり翌年から専門科目がなくなったため、次の回の試験で全科目免除申請をして資格を取得できました。

~入社前に資格取得したメリット~

-NTT-MEに入社してからのことを教えてください。

 入社してすぐは、新入社員全員が東京の研修センターに集まり、一般的なビジネスマナーや社内ルールなどを学ぶ全体研修が1か月ほどありました。その後、東日本の各県にあるエリア統括部に配属され、技術的な研修を受けました。
 エリア統括部での研修は、お客様宅(宅内)や電柱をイメージした模擬設備を使った故障修理の実習がありました。電柱から部屋の中まで光ファイバを新設したり、電柱にあるクロージャを開けて接続状況の確認や修理をしたりする実習です。

※クロージャ:配線された光ケーブルの分岐個所に設置して、その中で光ファイバ接続を行う筐体

 その後、OJTで先輩に同行して実際の故障修理業務としてお客様宅へ行きます。

※OJT:On-the-Job Training=職場の先輩が後輩に実際の仕事を通じて指導する教育方法

-工事担任者の資格は研修中に取るのですか?

 研修が終わって各部署に配属されてからになります。NTT-MEでは、試験による資格取得ではなく、eLPIT(eラーニングによる工事担任者養成課程)を使って資格を取得しています。eラーニングなので自分のペースでいつでも受講できることから、自宅や通勤中など勤務時間外に受講している人もいれば、「今日はeLPITの時間にしよう」と決めて勤務時間内に受講する人もいます。

-入社前に工事担任者資格を取ったメリットはありましたか?

 資格の勉強で基礎知識が得られたため、業務内容を理解しやすかったです。また、勤務時間中に資格の勉強をしている他の同期よりも早く故障修理業務につくことができました。

~求められる業務は故障修理だけではない~

-入社する前と後でギャップなどはありましたか?

 学生時代のインターンで宮城のエリア統括部にて故障修理業務の一日の流れについて伺ったのですが、入社して東京にくると当時より故障の件数が多く、思っていたよりも忙しいなと正直思いました。また、宮城よりも東京は道が狭く運転にも神経を使います。

-研修後の仕事内容について教えてください。

 個人、法人を問わず、お客様宅(戸建て、マンション、ビル)に伺い、電話やインターネット回線の故障修理を行っています。お客様からNTTの窓口に修理の申込があると、我々に連絡が入りお客様宅に伺います。

-今の仕事の面白いところ大変なところがあれば教えてください。

 お客様宅に伺って修理が終わり「ありがとう」と言っていただけることが大きなやりがいです。
 最近のお客様の中には日本語が通じない外国の方もおられるので、会話に苦労することがあります。そのような場合は、スマートフォンの翻訳機能を使ってやり取りをすることもありますが、技術的な内容など、日本語でも難解な部分については、社内に通訳をしてくれる専門の部署があり、電話を介して話した内容を翻訳してくれるため、助かっています。ただ、訪問前の電話連絡は自分で会話しないといけないので、大変です。
 また、マンション宅での修理では、個人宅内だけでなくMDF(=Main Distributing Frame:主配線盤)を確認しないといけない場合があります。MDFが管理人室にある場合は、事前に管理人さんに修理で伺うことを伝えていないと入れないなど、若干トラブルとなることもあります。当日、どうしても都合がつかない場合は、お客様と管理人さんと我々の三者で都合のよい日を調整して改めて伺うこともあります。

-普段の生活を教えてください。

 朝9時から10~15分くらいの部内ミーティングがあり、終わり次第お客様宅に伺います。10時頃にはお客様宅に到着して午前中の作業が始まります。問題なく終われば午後のお客様にも電話をし、午後は2件ほどの修理を行います。もし、修理に時間がかかってしまい午後のお客様宅にお伺いする時間に間に合わない場合は、他の人に代わってもらうなど部内のメンバーが助け合いながら対応しています。

-作業は1人で行かれるのですか?

 部署によっても違いますが、入社して1年目の年明けぐらいから1人で行くようになりました。先輩と一緒のときは1人でできると思い込んでいたことが、いざ1人で行くと「どうやるのだっけ?」と、最初の頃はとまどうこともありました。

-仕事の中で何か印象に残っていることはありますか?

NTT東日本グループでは「現場力向上フォーラム」という技術力を競う大会が年に一度あり、昨年度、東京代表として出場しました。私が出場した競技は故障修理業務ではなく、Microsoft社のPower Platformを用いた業務の効率化や業務変革(DX=Digital Transformation)のツールを作成する競技でした。会社からも社会からも、多様なスキルを持つ人材が求められているので、自分自身にとっても大変よい経験となりました。

-故障修理以外のことも求められているのですね。

 新しくNTTのビジネスフォンの導入を検討されているお客様に対して、既存環境の現場調査なども行っています。また、NTTではマイナンバー保険証などを使った病院のオンライン資格確認システムを扱っており、その現場調査や導入工事なども行います。これらは、故障修理業務でお客様と会話するときにも質問されることがあり、なるべく答えられるように知識やスキルを身につけているところです。
 また、今後は通常業務におけるデータ管理アプリの作成(ペーパーレス化)などの業務効率化、さらなるDXも実施していきたいと思っています。

~工事担任者は取得して当然の資格~

-今後取ろうと考えている資格はありますか?

 今の業務に必要な電気通信主任技術者の線路を取りたいと思っています。来年受験を検討していますが、伝送交換の資格を持っているので、実務経験4年となる今年度末で全科目免除申請による資格取得も考えています。

-転勤はあるのですか?

 あります。自分から希望を出すこともできますし、ステップアップとして上長から求められることもあります。私が所属するNTT-ME内だけでなく、NTT東日本やNTTデータなどNTTグループへの異動制度もあります。いろいろな業務ポストの募集があり、応募、面談をして合格すれば異動となる仕組みです。

-資格手当はあるのですか?

 工事担任者の場合、受験手数料は会社負担ですが、資格取得したときの報奨金や給与への手当はありません。通信事業者として、持っていて当然の資格ですので。
 その他、会社が必要と認める資格については、合格時に受験料の全額負担、不合格でも受験料の半額が負担される制度があり、社員は資格取得がしやすい環境となっています。

-資格について今の学生の皆さんに何か伝えることがあればお願いします。

 学生時代は学生にしかできない経験、体験、友達との交流を楽しんでもらえればと思います。将来のことについて考える機会があり、自分がやってみたいことの業界や職種を調べたときに、その業界、職種にあったスキルや資格がわかってきますので、いろいろチャレンジするのがよいと思います。
 私自身は父親の勧めもあり、学生時代に工事担任者資格を取得して入社したため、スムーズに業務に取り組むことができました。もし、取得した資格を業務で使わなかったとしても、勉強したことや勉強方法は自分自身の糧となり無駄になることは絶対にないので、少しでも情報通信の分野に興味があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

-ありがとうございました。

【DATA】

  • 企業名 :株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
  • 所在地 :東京都新宿区西新宿3-19-2
  • 足年月:1999年4月
  • 事業内容:
    インフラエンジニア業務
     NTT東日本等が提供する各種サービスの基盤となる情報通信ネットワークおよび設備等の計画・構築、運用・保守 等
    サイバーセキュリティ業務
     各種サービス等へのサイバー攻撃に対する監視、統制、脆弱性対応、構築・導入 等
    ・ソフトウェア業務
     お客さま/社内向けソフトウェア開発における要件定義、製造、試験 等
  • URL:https://www.ntt-me.co.jp/