
NDS株式会社
名古屋支店 営業部 SE担当
松本 将真(まつもと しょうま)さん
NDS株式会社は東海地方を中心に通信設備工事業をはじめICTソリューションサービスなども手掛ける企業です。松本さんは、お客様の要望を聞き、設計に落とし込み、施工、検証まで一貫して行うことができるネットワーク構築のプロフェッショナルです。電気通信工事の日々の生活、将来携わりたい仕事についてお聞きしました。
~情報通信の発展性で選んだ就職先~
-高校時代はどんなことをされていたのですか?
工業高校の電気科で、電気関連を中心に学びましたが、情報系やネットワーク技術などの通信系も勉強しました。
高校時代に第二種電気工事士を取りました。電気科の宿命で授業でもそのための勉強があるくらいで、絶対に取れという状況でした(笑)
-電気工事会社ではなく、通信設備工事の会社を選んだ理由を教えてください。
私が入社した2016年頃は電話工事の他にネットワーク工事などもあり、通信関係の仕事は将来なくなることはなく、むしろ今後発展していくように思え、そういう仕事に関わってスキルを伸ばしていきたいと考えて選びました。
-その中でNDSを選ばれたのはどういった理由ですか?
ある程度規模が大きい地元(名古屋)の会社を探していました。企業研究をする中で規模が大きくインフラ系を扱っている会社がNDSでした。
-就職活動のとき学校推薦とかがあるのですか?
学校から推薦はありますが、最終的には自分で選びます。選ぶ先は数社ありましたが、その中で通信系の業務を主にやっている会社はNDSが一番で、他は電気系を主業務としている会社でした。当時の就職状況はそれほど厳しくなく、高卒で就職した同級生は全員採用されました。
~個人向けとは違うプレッシャーがある法人向け案件~
-入社して半年の研修後、配属はどちらに?
名古屋支店のエンジニアリング部です。その中で私は外線班といって電柱を立てたりするグループに配属されました。
開発途中の地域などに電柱を立てて、各業者の方が電気や通信用の線を張れるようにしたり、不要になった電柱を抜いたりします。最近は地中化されていますが、私が配属された頃はあまり地中化されておらず、昇柱作業がメインでした。
ただ、外線班には10月配属で、その翌年の2月には個人宅にインターネット回線を引き込む仕事を行うユーザサービス部に異動となりました。
-外線班とユーザ班でそれぞれ大変なところがあるかと思いますが。
個人的にはユーザ班の方が大変ですね。個人のお客様にはいろいろな方がおられ、その方のご自宅にあがるので、気を使うことが大変多いです。基本的にお客様宅には2人で行きます。
-ユーザサービス部には結構長く在籍されていますね。
6~7年ほど在籍しましたが、途中から個人宅ではなく、通信事業者の営業が契約した法人のお客様向けに、ビジネスホンの導入やネットワークの構築、設定を担当するようになりました。
法人向けの仕事は、個人のお客様とは違った面で気を使います。対会社となると、順を追って現場調査に入り、お客様の話を聞きながら内容を理解して設計しないと、お客様の業務に支障が出てしまうことになるので、責任を持ってやらないといけないというプレッシャーがあります。
また、少し大きな案件だと2名で対応しますが、基本的にはひとつの案件を1人で行い、お客様対応も1人です。
-ひとつの案件はだいたいどれくらいの期間をかけて行うのですか?
お客様次第ですが、内容が細かく規模が大きい案件だと約1か月、設計だけで1か月かかることもあります。短い案件だと1日で設計が終わることもあります。
-その後、営業部に異動されたのですね。営業部は新たなお客様を開拓する仕事ですか。
営業部とはいいつつ、新規顧客を開拓する営業活動を行っている部署ではなくSEが集まっている部署で、営業を行っている会社と協力して業務を行います。
-研修とアクセス事業部で1年、ユーザサービス部で6年、営業部で2年勤務されましたが、今までの仕事の中で楽しかったことややりがいがあったことなどありますか。
昔、GIGAスクール構想で各小中学校にWi-Fiを設置する業務にネットワーク担当として携わりました。Wi-Fiの設置は施工担当が行うのですが、私はネットワークの設定、検証を行いました。
例えば、教員専用や生徒用など別々のネットワークを作らないといけないとか、GIGAスクール構想は国が推進する取り組みなので、教育委員会から遠隔で入れるようにしないといけないなどの要望に対し、初めて扱うConfigファイルで設定し、教育委員会の人と連絡を取り接続試験を実施し、指摘があればその場で修正することなどを行いました。
当時、私にとっては初めての業務で試行錯誤してやり切った案件だったため、自身のキャリアにとって転機となった案件でした。
夏休みの間に岡崎市内の全ての小中学校で設置、検証を3人でやり切ったときは、やりがい、達成感がありました。

~お客様の業務に合わせて~
-普段の生活について教えてください。
始業は8時半で、車で1時間ほどかけて通勤しています。始業までは、現場作業のための材料を積んだり資料の印刷などを行っています。お客様との打ち合わせ、現場調査、施工など基本的に外出が多いです。終業は17時で、外出先から直接帰宅はしないので、一度会社に戻ってきます。
-残業や土日勤務はあるのですか?
残業は時期によりますが、年末や年度末は忙しいです。
自分のいる部署(営業部)ではお客様である会社の休みが土日であることが多いので、お客様の業務が止まっている時に作業することが多いです。また、朝7時から来てくれという案件もありますし、18時から作業してくれといった案件もよくあります。そういう場合は、朝遅くに出勤するなど勤務時間を変更しています。休日に出勤すれば代休を取ります。基本的には、週休2日です。
-今後やっていきたい仕事はありますか?
今はネットワークの構築をしているので、もっと専門的なことをやりたいです。サーバーの構築や大規模ネットワークの構築など、大きなプロジェクトに入って自分が進めていければと思っています。
-サーバー構築の案件もあるのですか?
ネットワークの構築はときどきあるのですが、サーバー構築の案件がくるとサーバーを構築するスキルを持った者が本社におり、連携して工事をしています。名古屋支店でもスキルを身につけてできるようになればと思っています。
サーバー系の資格の詳細はわからないですが、メーカーが出している資格などがあると思うので、そういった資格を持つことでお客様に提案が出来るし、構築時のノウハウにもつながると思います。
~どうせ取るなら早く取得を~
-資格の話をお聞きします。会社から総合通信を取ってほしいと依頼があったとのことですが、その他の資格も依頼があったのですか?
当時はビジネスホンを扱っていて、1人で工事をするためには総合通信の資格が必須でしたので、早く総合通信の資格を取ってほしいとの依頼がありました。
-勉強はどれくらいしましたか?
だいたい1か月ぐらいかと思います。参考書を買って過去問題を解くことを、仕事が終わって独学でやっていました。
-試験は3科目ありますが、一発合格ですか?
一発合格でした。基礎科目はそれなりにパターンがわかればできるのですが、暗記が苦手でしたので法規科目が一番難しかったです。法規科目は難しい単語や文章が出てくるので、なかなか頭に入らず、こういう単語が出ればこれといったパターンをひたすら数をこなして覚えました。
一方、技術科目は技術の問題が出てくるので、なんとなく頭に入ってきやすかったです。
-今年度取得を目指している資格はありますか?
CCNA※の資格と、さらにその上のCCNP※の取得も考えています。ネットワークの設定などに携わっているので基本的なところは理解していますが、CISCO独自の部分は勉強が必要です。
※Cisco Certified Network Associate シスコシステムズ社が認定するネットワーク技術者向けの資格
※Cisco Certified Network Professional シスコシステムズが提供するネットワークエンジニア向けのプロフェッショナルレベルの資格
-資格に対してのお考えをお聞かせください。
私は会社に入ってから総合通信を取得しましたが、資格は学生時代に取っておいた方がよいと思います。学生時代に第一級デジタル通信や第一種電気工事士に挑戦するなど、うまく時間を使って勉強し資格を取得しておくことで、履歴書にもかけるし、会社の求める条件を満たすことにもなり、就職にも有利になり、就職してからのキャリアアップにもつながります。
-会社に入って資格を取るのと、資格を持って会社に入るのでは、どういう違いがありますか? 会社だと研修があって結局資格は取りますよね。
持っていた方がよいという理由は、1つは業務的な点で、例えば総合通信を持っていれば最初から資格保有という観点からは1人で仕事ができるといったこと、もう1つは社会人になると仕事に集中し、資格の勉強をする時間がなかなか取れないためです。時間を取ろうとすると、帰宅した後に毎日すこしずつ勉強しなくてはいけません。学生時代に資格を取っておけば、選べる会社も増えるし、他の人が資格取得のために費やす時間に自分は仕事のスキルアップに使えますし、有資格者なので最初から携われるプロジェクトも出てきます。
-ありがとうございました。
【DATA】
- 企業名:NDS株式会社
- 本社所在地:愛知県名古屋市中区千代田2-15-18
- 設立:1954年5月
- 事業内容:・総合エンジニアリング事業
通信設備エンジニアリング
電気設備エンジニアリング
土木エンジニアリング
・ICTソリューション事業
ICTソリューションサービス
ビジネスサポートサービス
・住宅不動産事業 - URL:https://www.nds-g.co.jp/