「行学一如(ぎょうがくいちにょ)」の精神
兵庫県立小野工業高等学校
電子科教諭 前田 由紀子

学校紹介
兵庫県立小野工業高等学校は、全日制と定時制の2つの課程を備え、ものづくりの楽しさと奥深さを追求する活気あふれる工業・家庭系の専門高校です。 本校の教育の根幹には、「知識を学ぶこと(学)」と「実践すること(行)」は一体であるとする「行学一如(ぎょうがくいちにょ)」の精神が息づいています。この教えのもとで実学を重んじ、知・徳・体・技の調和がとれた「こころ豊かな人間」の育成に全力を注いでいます。
① 多様な専門性と「実践的」な学びの展開
本校には、ものづくりの最前線を担う「工業科」と、豊かな生活を創造するスペシャリストを育てる「生活創造科」があります。 スクール・ポリシー(三つの方針)に掲げている通り、少人数制授業やICTツールの活用、そして充実した実習設備を最大限に活用し、理論と実践の距離を縮める教育を展開しています。また、外部講師の招へいやインターンシップ(就業体験)といった外部機関との連携も積極的に行い、生徒たちが専門的な知識・技術をより確実なものにできるよう工夫しています。
② 資格への挑戦と専門性の深化
生徒たちは、それぞれの専門分野において高い目標を掲げ、日々研鑽を積んでいます。 各種技術検定や国家資格への意欲的な挑戦は、生徒たちの大きな自信となり、将来の職業人としての確かな土台となっています。座学で得た知識を実習で試し、実習で得た気づきを座学で深める。この「わかる授業」の積み重ねが、難関試験への合格や、専門分野の大会での活躍といった成果につながっています。
③ 未来へ向けて:地域を支える自立した人材へ
私たちは、単に技術を教えるだけではありません。ボランティア活動や地域貢献活動、外部コンテストへの出場などを通じて、他者と協働する力や、地域の課題解決に主体的に取り組む姿勢を養っています。 進展する産業社会において、確かな技術と豊かな「こころ」を備え、自律して生きることのできる人材を。小野工業高校は、これからも「行学一如」の理念とともに、未来を切り拓くスペシャリストを社会に送り出し続けます。
電子科の紹介
学校説明会だけでなく、中学校訪問などを通じて中学校の先生方との情報交換を密に行い、生徒の学習状況や得意・不得意分野を把握し、専門科目では少人数制を取り入れ、座学ではチームティーチングによる習熟度別授業(座学)を行っています。また、兵庫県内でも有数の、資格取得に特化したカリキュラムが本校電子科の自慢です。「電気主任技術者」をはじめ、「工事担任者(第二級デジタル通信:認定校のため、試験の一部である「基礎」科目が免除)」「第三級陸上特殊無線技士」「第二級海上特殊無線技士」など、将来に直結する多彩な免許が取得可能な学習環境を整えています。
1年次 : 電気回路や情報の基礎を徹底して学び、専門学習の土台を築きます。
2・3年次 : 電気主任技術者の認定に必要な「電力」「製図」に加え、「電子回路」や「通信技術」を深く習得。
電気と通信の両面からアプローチできる独自のカリキュラムになっています。

資格試験の取り組み
2年次では第二種電気工事士の受験後、ステップアップとして「第二級デジタル通信」の資格取得に挑戦します。授業「通信技術」を軸に、基礎・技術理論・法規の基盤を構築。Google フォームを用いた演習で個々の習熟度を可視化し、家庭学習での過去問演習と徹底した復習により知識の定着を図ります。また、生徒間での「教え合い」を導入し、アウトプットを通じて多角的な理解を深める学習形態を実践しています。
今後の課題
本校電子科では、中学校との密な情報共有を通じて生徒一人ひとりの特性を把握し、少人数制やチームティーチングによる習熟度別授業を導入するとともに、ICT機器や回路シミュレーションソフトなどの最新教育ツールを積極的に活用して「目に見えない通信技術」の可視化を図ることで、電気主任技術者や、科目免除制度の対象である「第二級デジタル通信」をはじめとする多彩な国家資格の取得に向けた専門性を高める環境を整えていますが、こうした手厚い指導体制を「第二級デジタル通信」の確実な合格率へと結びつけることが今後の喫緊の課題となっています。
合格者の声
学習を始めた当初は、専門用語も計算も全く分からない状態からのスタートでした。しかし、毎日の授業を大切にし、放課後や自宅で過去問を少しずつ解き進めることで、バラバラだった知識が徐々に結びついていくのを実感しました。一気に詰め込もうとせず、一歩ずつ着実に進めたことが、最終的に合格へと繋がったのだと思います。
また、この資格試験に向けた「学習の習慣化」は、資格取得以外の場面でも大きな力となりました。定期考査の準備や、将来を見据えた入社試験の対策など、目標に向かって計画的に取り組む姿勢が身についたことは、自分にとって大きな自信です。
これから資格試験に挑戦しようと考えている皆さん、最初は難しく感じるかもしれませんが、焦る必要はありません。毎日コツコツと知識を積み重ねていくことが、合格への一番の近道です。皆さんの挑戦を応援しています。
