情報通信エンジニア優良団体表彰 – 株式会社TOSYS

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平成30年度情報通信エンジニア優良団体表彰(2)

社長の熱い思いが甲信越の電気通信人材育成をリードする

株式会社TOSYS

代表取締役社長 小川亮夫氏
NTT事業推進本部 品質工法部 部長 岩野道隆氏
NTT事業推進部 品質工法部 担当部長 池田浩士氏

小川亮夫社長(右)と日本データ通信協会・高嶋幹夫専務理事(工事担任者スキルアップ委員会委員、左)

電気通信事業法第71条が定める「工事担任者」は、電気通信設備の接続を行う際に必要とされる国家資格である。この工事担任者の知識や技術の向上を目的に作られたのが「情報通信エンジニア」制度で、同制度を運用する工事担任者スキルアップガイドライン委員会(事務局:日本データ通信協会)では、制度の普及促進を図る目的で、情報通信エンジニアの育成と資格取得を支援している団体を「情報通信エンジニア優良団体」として毎年表彰している。

「平成30年度情報通信エンジニア優良団体の表彰について」

編集部で、平成30年度の受賞8団体の1つである株式会社TOSYSへの表彰状授与式に同席し、受賞の声を聞いた。

 株式会社TOSYS(トーシス)は、長野県、山梨県、新潟県を事業エリアとする甲信越を代表する電気通信工事会社の一つである。1960年に創業し、2003年に日本コムシス株式会社、サンワコムシスエンジニアリング株式会社とともに「コムシスホールディングス株式会社」を設立し、それ以降、コムシスグループの一翼として活躍している。

 地域に根ざした活動はめざましく、数々の賞を受賞。最近では2015年6月に、人材育成の取組を評価され、「平成27年度電波の日・情報通信月間記念式典」において、『信越総合通信局長表彰」を受賞している。

 この表彰の理由が「永年にわたり、電気通信主任技術者及び工事担任者の国家試験や養成課程受講等による資格者の確保とスキルアップに尽力し、その高い技術力を活かして地域における情報通信システムの構築工事を担うことで、国の資格者制度の維持・推進並びに情報通信技術の利用基盤の向上に多大なる貢献」を行ったことに対して行われたことからも明らかなように、同社の人材育成、資格取得に対する取組は筋金入りだ。

 「工事担任者の資格は、お客様のところに行く社員、協力会社の社員には必要ですので、工事に係る担当がその資格を持っています。」と小川亮夫社長は語る。そんな同社にとって、工事担任者のスキルアップを目指す「情報通信エンジニア」は、取組むのがごく自然な制度となっている。

 「以前から申し上げているのですが、工事担任者が取りっきりで資格更新の必要がなく、努力義務の範疇にとどまっている。この義務を果たすために「情報通信エンジニア」の仕組みがさらに活用されていくといいと考えます。これを法制化などすると、またどんどんと資格のハードルが高くなってしまい、かえって従事する者が減っていくなどの弊害が出ることも考えられるので、そこは慎重になる必要はありますが、やはり教育に対する必要性の認識と合わせて、こうした資格がもっと知名度を上げて利用されていくといいと思います。」(小川社長)

 同時に、小川社長には「情報通信エンジニア」が果たす役割は、現状ではまだ十分ではないと見えている。

 「工事担任者という母数が多い割には、「情報通信エンジニア」取得者の比率はまだ小さいですよね。情報通信が進化していく状況の中で、勉強することもどんどん増えるので、本来はもっと多くの人たちが取組むべきだと思っています。うちもまだ十分ではないですが、3年前に『信越総合通信局長表彰」を受賞した時も、これからも「がんばれ」ということかなと思い、受賞のコメントに「がんばります」と書いた覚えがあります。今の情報通信の最新のものを身に着けていく姿勢がもっと当たり前になっていくといいと思いますね。。

 工事担任者に課されているのが制度的には「努力義務」である点が難しいところですね。もちろん仕事に必要な新しい知識は皆さん覚えているだろうけれども、もう少し体系立って勉強をしようとした時に、「情報通信エンジニア」のような資格はとても役に立つはずです。」(小川社長)

小川亮夫社長

 TOSYSでは、「情報通信エンジニア」の取得は、「基本的には個人のやる気に任せており、勉強したいという人に対して会社が支援をしていくという考えです」(小川社長)とのことだが、資格はさらに重要になってくると小川社長は言う。

 「情報通信は、これからますます重要になってきます。社会の神経網のような役割を情報通信が担っています。しかし、電気やガスと同様、使えることが当たり前になってしまっているところがあり、それだけに、いったん何かが起こるとその影響は非常に大きいものになります。ですので、工事担任者や「情報通信エンジニア」など電気通信に係る制度がしっかりと世の中で認知され、そこに携わるエンジニアのステータスが上がるような仕組みが整備されるのは重要だと考えています。」

 さらに小川社長は、技術の進展に合わせて資格の内容もサービスの実情に対応としたものになっていくことが必要だと感じている。

 「今の工事資格は物理レイヤーで考えられているところがあります。電気工事も通信工事も同様ですが、次第にサービスがその上のソフトのレイヤーで設定されるようになっていますので、ぜひ工事担任者の資格にも、そうした実態が反映されるようになればよいと思います。」

左より、NTT事業推進部品質工法部の池田浩士担当部長、小川亮夫社長、NTT事業推進本部品質工法部の岩野道隆部長

(文責:「日本データ通信」編集部)