情報通信エンジニア優良団体表彰 – 株式会社ベータテック

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平成30年度情報通信エンジニア優良団体表彰(3)

工事担任者の技術向上にも抜かりのない無線のスペシャリスト集団

株式会社ベータテック

代表取締役 大竹丈夫氏
取締役 総務・契約セクション統括 大竹佳子氏
取締役 営業統括 大橋貴美雄氏

大竹丈夫社長(左)と日本データ通信協会・高嶋幹夫専務理事(工事担任者スキルアップ委員会委員、右)

電気通信事業法第71条が定める「工事担任者」は、電気通信設備の接続を行う際に必要とされる国家資格である。この工事担任者の知識や技術の向上を目的に作られたのが「情報通信エンジニア」制度で、同制度を運用する工事担任者スキルアップガイドライン委員会(事務局:日本データ通信協会)では、制度の普及促進を図る目的で、情報通信エンジニアの育成と資格取得を支援している団体を「情報通信エンジニア優良団体」として毎年表彰している。

「平成30年度情報通信エンジニア優良団体の表彰について」

編集部で、平成30年度の受賞8団体の1つである株式会社ベータテックへの表彰状授与式に同席し、受賞の声を聞いた。

 ㈱ベータテックは、創業者の大竹社長が前職で勤めていた電波学園(名古屋)の教員仲間と卒業生3人で始めた会社だ。1998年の創業で、今年は同社にとって、20周年の節目にあたる。

 「創業当時が3Gの時代で、その流れに乗って携帯電話の仕事をかなり手掛けました」と大竹社長が語るように、現在も主力事業は大手携帯電話事業者の基地局設置や調整、保守など無線技術に関連している。約160名の従業者の多くが第1級陸上特殊無線技士から第1級陸上無線技術士、第1級総合無線通信士等に至る無線通信関連の国家資格取得者で、同社は総務省から認定を受けた無線局の「登録検査等事業者」でもある。

 同時に、手掛ける業務の範囲は無線ばかりではなく、ネットワークの幅広い領域に及んでいる。名刺にある「ICTよろず相談所」の文字がそうした同社のお客様に対する立ち位置をよく表している。無線従事者の資格とともに工事担任者の有資格者も31名と多数を擁している。

 ICTインフラに関するサービスの提供と並んで事業の柱となっているのが教育事業だ。その中心には陸上特殊無線技士養成課程である。第1級から第3級の陸上特殊無線技士、第2級海上特殊無線技士の講習会を名古屋、東京、横浜で実施している。また、顧客の要望に応じてた個別の講習も行っている。

 こうした事業を営む同社であるからこそ、自社の人材育成にはぬかりがない。「情報通信エンジニア」についても平成30年度は28名が資格を保持しており、工事担任者のほとんどが「情報通信エンジニア」を活用して技術を磨いていることになる。

 ただ、人材不足の時代を迎え、大竹社長は将来に向けた人材確保自体に危惧を抱いている。数年前までは数十人規模であった新卒の応募者数も、激減しているという。

代表取締役社長の大竹丈夫氏

 「少子化が進んで子供たちの絶対数が減っているのは仕方がないとしても、情報通信系の学生が来てくれないのはどうしようもない。残念なことに、電気通信業界に若者の目が向いていません。

 私はハローワークに依頼され、月に2度ほど高校や中学に出向き、他の業種の人たちとともに講話をさせていただいているのですが、「情報通信」という言葉を聞いて話を聞きたがる子供たちはとても限られています。人気は美容師であったり、パン屋さんであったりします。目に見えて分かりやすい業種への興味が圧倒的に多くて、さらに最近では、そのような場で消防士や警察、市役所といった公務員の宣伝まで行われるようになりました。ますます厳しくなっていると感じています。」(大竹社長)

 情報通信分野への学生の興味を掻き立てるためには、制度を作る側の工夫も必要だと大竹社長は考えている。

 「例えば、工事担任者と無線従事者の試験をうまく組み合わせることができれば、学生の就職などにも好影響があるかもしれません。行政サイドでも、若い人たちにとって更によい制度を工夫してもらえるとありがたいと思います。」

左より大橋貴美雄取締役、大竹丈夫社長、大竹佳子取締役

(文責:「日本データ通信」編集部)